研究課題/領域番号 |
22K17279
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 静岡県立大学短期大学部 |
研究代表者 |
長谷 由紀子 静岡県立大学短期大学部, 短期大学部, 准教授 (30835088)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 多職種連携医療 / 口腔保健実践モデル / タスクシフト/シェア / 歯科衛生士教育 / 医療実践環境 |
研究開始時の研究の概要 |
医師の働き方改革や医療構造の改革を目的とした医師から多職種への業務移管/分担(タスクシフト/シェア)が進められているが、日本の歯科衛生士はタスクシフト/シェアの対象者として挙がっていない。本研究では、歯科衛生士が多職種間でのタスクシフト/シェアの一角を担うことにより医療供給体制の発展に貢献できると考え、医療現場における口腔保健の職種協働実情や医療者の認識を把握し、職種間の役割/業務の補完・協働による口腔保健実践モデルを新規構築する。その結果から、タスクシフト/シェアに貢献しうる歯科衛生士を育成するための実践能力を同定し教育方略の基礎を創成する。
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研究実績の概要 |
本研究では、歯科衛生士が多職種間でのタスクシフト/シェアの一角を担うことにより医療供給体制の発展に貢献できると考え、口腔保健に関わる医療者が認識する多職種協働の実情や医療者・介護職者の認識を把握し、職種間の役割/業務の補完・協働による新たな口腔保健における多職種連携医療モデルの構築することを目的としている。 令和4年度は、様々な臨床現場で医療を実践する歯科衛生士に対して、現在実践している(実践していた)多職種連携の実態と歯科衛生士の多職種連携実践への認識および期待や課題について半構造化インタビューを実施した。現在インタビュー内容を分析中ではあるが、歯科衛生士が業務を担う現場の環境(行政、歯科医院、急性期病院、療養型施設、在宅等)によって、多職種連携実践実情が異なり、これらの環境や領域によって多職種連携の実践モデルやタスクシフト/シェアへの認識や期待も異なってくることが明らかとなった。この結果については今後研究発表予定である。また、海外の歯科衛生士の多職種連携実践の文献調査により、多職種連携実践の状況は、医療システムや医療施策、歯科衛生養成に大きく影響していることが分かり、今後の海外視察のための予備調査となった。 本研究成果によって、歯科衛生士が口腔保健の専門職として、多職種間でのタスクシフト/シェアに参画するきっかけとなり、医療の質や安全の確保および医療者・介護職者の健康確保に貢献しうることが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和4年度に歯科衛生士とその他の口腔保健に関わる多職種へのインタビュー調査と分析を実施予定であったが、全ての職種のインタビュー調査と分析が終了できていない。新型コロナウイルス感染拡大の影響によって医療従事者への業務負担が多くなり、研究計画通りに研究参加者へのリクルートとインタビューが実施できなかった。海外視察計画についても、同様の理由により受け入れ先との交渉が困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
歯科衛生士を対象としたインタビュー調査により行政、急性期病院、療養型施設、在宅等でそれぞれ求められる歯科衛生士の専門性と多職種連携医療実践のモデルが見い出せてきた。また、インタビュー内容から、医療現場での歯科衛生士の連携職種が、分析内容から絞れてきたため、今後該当する歯科衛生士以外の医療職者、介護職者にインタビューを実施する予定である。多職種の視点からの口腔保健に関わる医療者が認識する多職種協働の実情や期待、課題を把握し、それを歯科衛生士のインタビュー調査結果と統合、先行研究の多職種連携実践のモデルを援用し、新たな口腔保健における多職種連携医療モデルを構築していく。 海外視察に関しては、全世界的にコロナウイルス感染拡大による行動制限が緩和されてきたため、視察先との交渉を再開し、国内の医療機関における多職種連携実践も視察する予定である。
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