研究課題/領域番号 |
22K17287
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
松本 明日香 新潟大学, 医歯学総合研究科, 助教 (50909603)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 知的障害者 / 実行機能 / 歯磨き指導 / 歯磨き行動 / 障害福祉施設 / 歯科口腔保健 / 口腔保健行動 / 通所型障害福祉施設 |
研究開始時の研究の概要 |
知的障害者は、日常生活において必要不可欠な「目標達成に向けて自己の思考や行動を制御する」実行機能が弱いとされているほか、口腔衛生状態や歯科保健行動に関する課題が多いと報告されている。そこで、通所型福祉施設を利用する知的障害者を対象とし、実行機能という新たな視点から独自に開発した評価シートである「実行機能と関連する歯磨き行動自立度質問紙」を用いて歯科専門職である歯科衛生士が歯磨き行動を評価し、それに関連する実行機能の弱さの因子を特定する。その結果を介入支援に応用させ、支援方法の確立を目指すことにより、知的障害者の口腔衛生状態の向上を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、通所型福祉施設を利用している成人知的障害者の口腔衛生状態を改善することを目的として、歯磨き行動に関連する実行機能の弱さを補う支援を実施してきた。当該年度は調査対象となる施設および対象者数を増やし、昨年度に引き続き介入調査を継続した。調査では、歯磨き行動に関連する実行機能の弱さを補う支援として、視覚支援媒体を用いて歯科衛生士が歯磨き指導を行うことに加え、歯磨き支援量の評価用紙を用いて、対象者が磨き残しなく歯磨きするために必要な支援を量的に記録した。 その結果、当該年度得られた研究結果は昨年度の結果を裏付けることとなり、歯磨き行動に関連する実行機能の弱さを補う支援の効果を確認することができた。具体的に確認できたこととして、歯科衛生士による視覚支援媒体を用いた歯磨き指導の回数を重ねることで、必要な支援量が有意に減少すること、および対象者の口腔衛生状態が改善することが確認できた。これらの結果から、視覚支援媒体を用いた歯科衛生士の歯磨き指導は、通所型福祉施設を利用している成人知的障害者の歯磨き技術の向上につながることが示唆された。さらに、本研究の対象者と同程度の知的障害者に対する歯磨き支援において、支援量の減少と口腔衛生状態の改善に必要な指導回数を本研究の結果をもとにおおむね予測できると考えられることから、本研究における指導スケジュールと内容は、成人知的障害者の歯磨き改善支援方法を検討するための一助になると期待できる。今後はこの調査結果をできるだけ早く論文投稿したいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度中に目標対象者数に近い人数でデータ収集およびデータ分析を行うことができた。また、上記の結果を得て、学会発表を3件行うことができたが、論文投稿に至っていないため、進捗状況をやや遅れているとした。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度までの調査で得られたデータをまとめ、次年度は論文投稿に向けた準備を進めていく。
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