研究課題/領域番号 |
22K17288
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
磯部 悠 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任助教(常勤) (30848627)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 個人識別 / 機械学習 / 法歯学 / 歯牙鑑定 |
研究開始時の研究の概要 |
2011年の東日本大震災における犠牲者の約10%の身元を歯科所見から特定できたが、この身元確認は手作業で行われており、多くのマンパワーを要した。今後発生が危惧されている南海トラフ大地震では、東日本大震災の約20倍の被害となる可能性があり、現在の方法では十分に対応できない恐れがある。そのため多数の犠牲者が出る大規模災害では、多くの犠牲者からの身元確認が大きな課題となる。本研究では機械学習を利用した画像による個人識別の有用性を検証することにより身元確認の迅速化と作業プロセスの簡素化を目指し、再現性のある個人識別法であるかを検討する。
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研究実績の概要 |
これまでに大規模災害時において、多くの犠牲者の身元確認が大きな課題となり歯科情報の活用が有効な手段であることは多数報告されている。しかしながら、法歯学の領域ではICT(Information and Communication Technology)の活用が進んでおらず、遺体の歯科的な記録や生前資料の取りまとめ、さらには、それらの突合・照合が全て手作業で行われており、迅速に個人を割り出すことが困難である。本研究では機械学習を利用した画像による個人識別の有用性を検証することにより身元確認の迅速化と作業プロセスの簡素化を目指し、再現性のある個人識別法であるかを検討する。本研究の目的は、法医解剖業務の歯科所見や死亡時画像診断としてコンピューター断層エックス線撮影法で得られたオルソパントモグラフィの画像から手作業による個人識別と機械学習による個人識別の有用性を評価することである。さらに本研究を通して得られた知見は、身元確認作業をより迅速化・簡便化が期待でき、より早期に身元を判明することを目指す。 2022年度では、法医解剖事例のうちの死亡時画像診断としてコンピューター断層エックス線撮影法が行われており、生前と死後の画像がそろった事例および年齢、性別、生前・死後の撮影期間などの情報を収集し、データベース化を遂行した。 2023年度では、前年度にデータベース化した事例の手作業による歯科的所見による個人識別を遂行した。また、生前死後の画像のアノテーション作業を行ない、教師データを作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は下記に示す順に遂行する計画である。 ①研究対象事例の画像の収集のデータベース化②上記事例の歯科的所見による個人識別の実施とCNNの分析③歯科的所見による個人識別と機械学習による個人識別の有用性の比較 2023年度は、上記②を実施した。 データベース化した事例の手作業による歯科的所見による個人識別の実施を行った。さらに画像を用いてMobileNet-v2、ResNet50、VGG16、ResNet50、Inception-v3、InceptionResNet-v2、Xceptionの6つの有名なCNNアーキテクチャに基づいて、機械学習を使用した歯科用個人識別の精度分析を行う予定であったが、やや遅れている。現在、生前死後の画像のデータの拡張およびアノテーション作業を行ない、教師データを作成中である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は上記②および③を研究推進していく。手作業による個人識別とMobileNet-v2、ResNet50、VGG16、ResNet50、Inception-v3、InceptionResNet-v2、Xceptionの6つの有名なCNNアーキテクチャに基づいた機械学習による個人識別の精度分析を行う。
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