研究課題/領域番号 |
22K17291
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
大谷 紗織 獨協医科大学, 医学部, 非常勤助教 (80851063)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | COVID-19 / SArS-CoV2 / RT-qPCR / 唾液 / エアロゾル / 歯科治療 / SARS-CoV-2 / 飛沫感染 / 口腔ケア |
研究開始時の研究の概要 |
COVID-19の感染拡大初期において,歯科は感染の最高リスク職種として分類されていた.しかしながら,歯科治療を契機としたクラスターの発生報告は乏しく,歯科医療従事者における抗体陽性者(既感染者)は一般の既感染者と比較しても多くはなかった.歯科治療の際は,元来,接触感染・飛沫感染予防としてのスタンダードプリコーションを施行しており,それがSARS-CoV-2に対しても有効である可能性が示唆された. COVID-19患者の口腔ケアを含む歯科治療の際に,患者の唾液および飛散するエアロゾルを採取し,RT-qPCR法によるウイルス量の実態を知ることは,今後の感染対策を考慮するうえで重要であると考えた.
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研究実績の概要 |
歯科医寮機関における日常診療での接触感染防御に重要なグローブ,アイシールドなどの使用や口腔外バキュームの使用など,感染対策の調査を行なった.その結果,グローブの使用率は92.4%,アイシールドの使用87.4%,口腔外バキュームの使用は68.3%であり,多くの施設で適切な標準予防策が実施されていることがわかった. COVID-19患者の口腔ケアを含む歯科治療の際に患者の唾液および飛散するエアロゾルを採取し,RT-qPCR法によるウイルス由来RNAを検出することで,患者の唾液中および患者歯科治療中に発生するエアロゾル中のSARS-CoV2ウイルス量を検出した.エアロゾルについては,口腔外バキュームを使用し,吸引口に濾紙を設置することで,吸引したエアロゾル中のウイルスを検出することに成功した.COVID-19発症者の口腔内唾液では,鼻腔咽頭粘膜のスワブ検査と同様にウイルスを検出することができた.エアロゾル中においても,唾液そのものと比較すると少ない量ではあるが,ウイルスが検出される例を認めた.検出したウイルス量を元に,唾液1mLあたりのウイルス量と,15分間の歯科治療中のエアロゾル中のウイルス量をコピー数を計算することで推定した.先行研究において,実際の感染粒子は飛散するSARS-CoV2のうち100-1000コピーに1コピー程度であることが報告されている.これを踏まえると,COVID-19感染患者であっても,歯科治療中のウイルス飛散量自体は感染が成立するコピー数よりもはるかに低い量の感染粒子が飛散していると推定される.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在,全ての解析を終えておりデータの取りまとめを行なっている.研究成果は,論文発表を予定しており,現在投稿準備中である.
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今後の研究の推進方策 |
研究成果を論文発表すべく,投稿準備中である. 一方で,患者の鼻腔咽頭粘膜スワブでのウイルス検出量と唾液中のウイルス検出量の比較などは行なっていない.研究計画当初は解析を予定していなかったが,発症日からの倦怠採取日数などと合わせて参考までに解析を進め,個々の症例の中で,どの程度の時期で観察を行なったのかについて検証を進めたい.
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