研究課題/領域番号 |
22K17296
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
白部 麻樹 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (30814818)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 口腔機能管理 / 認知症 / アルツハイマー病 / 高齢者 |
研究開始時の研究の概要 |
口腔機能障害は認知症中期以降に顕在化するとされているが、各口腔機能障害(低下)に関する詳細な様相は明らかとなっていない。また、認知症高齢者への口腔関連サービス提供時にはBPSDによる拒否等によりサービス受容が困難になることが知られている。その一方、認知症重症度別のBPSDも含めた具体的な口腔関連サービスの対応方法は示されておらず、標準化されていない。 そこで、認知症の進行に伴う口腔機能低下の詳細な様相を明らかにすること、および認知症重症度別の口腔関連サービスの受容状況についてBPSDを含めて整理することを目的とし、認知症の進行に伴う口腔機能低下の様相および口腔関連サービスの受容状況を整理する。
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研究実績の概要 |
口腔機能障害は認知症中期以降に顕在化するとされているが、各口腔機能障害(低下)に関する詳細な様相は明らかとなっていない。また、認知症高齢者への口腔ケア、口腔機能管理等提供時にはBPSD(認知症の行動・心理症状)による拒否等によりサービス受容が困難になることが知られている。その一方、認知症重症度別のBPSDも含めた具体的な口腔関連サービスの対応方法は示されておらず、サービス提供者の経験に基づく対応がされていることが多く標準化されていない。そこで、認知症の進行に伴う口腔機能低下の詳細な様相を明らかにすることを目的に、今年度の研究を実施した。 A県O町在住の要介護高齢者を対象とした調査において、ベースライン時にMWST(Modified Water Swallowing Test)スコアが5であったアルツハイマー型認知症(AD)高齢者を1年間追跡した。1年後の追跡調査時のMWSTスコアが4未満を嚥下機能低下と定義し、ポアソン回帰分析を用いて、嚥下機能低下に関連する因子を探索した。ベースライン時の説明変数は、口腔ケア拒否の有無、舌突出の有無、構音明瞭度(/pa/、/ta/、/ka/)とした。多変量モデルは、性、年齢、臨床的認知症評価(CDR)を含むベースライン時の変数で調整した。 63名のAD高齢者(平均年齢86.1±5.3歳)が対象となり、そのうち23.9%が追跡調査時に嚥下機能低下を示した。ベースラインの性、年齢、CDRで調整したポアソン回帰分析の結果、口腔ケア拒否(リスク比=6.5、95%信頼区間=2.0-20.5)および構音明瞭度(/ka/)(リスク比=6.5、95%信頼区間=2.3-19.0)が嚥下機能低下と関連していた。 以上より、AD高齢者の嚥下障害に対する口腔ケアは、認知症の行動・心理症状だけでなく、舌の機能も考慮する必要があると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該データベースの蓄積および縦断的な分析など、多角的な検討を行うことができているため。
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今後の研究の推進方策 |
本研究で目的とする認知症の容態に応じた適時適切な口腔関連サービス提供指針作成の有用な基礎的資料の作成に向けて、2年間の研究で解析に用いた調査項目を引き続き調査し、新規対象者を含む追跡調査を実施する。
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