研究課題/領域番号 |
22K17315
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
高橋 礼子 愛知医科大学, 災害医療研究センター, 講師 (10728752)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
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キーワード | 災害 / 籠城支援 / ライフライン支援 / 機能維持 / 事前リスト / 教育ツール / EMIS / 人材育成 / 災害医療 / ライフライン |
研究開始時の研究の概要 |
災害時に地域全体として医療機能を継続させるためには、優先順位を付けた籠城支援と、機能維持している医療機関での患者受入能力拡大を組み合わせた対応をが重要である。 しかし籠城支援方策の手法の標準化や教育は十分でなく、一部の経験者が繰り返し対応しているのが実情である。また申請者は先行研究でDHCoSの開発を行ったが、新型コロナウイルス感染症流行のため、集合型研修の実施が困難であり、教育機会そのものが十分得られない状況でもある。 このため、来るべき南海トラフ地震等の激甚災害への備えとして、DMAT等の医療チームにおける、恒常的な籠城支援能力向上や支援人材拡充に繋げるべく、本研究を行うものである。
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研究実績の概要 |
申請者は、災害時の医療機関へのライフライン支援(籠城支援)の方策周知を目的に、医療機関の被災状況データ等の分析・評価・支援優先順位付けを行う教育ツールとして、『災害時病院対応と病院籠城支援シミュレーション(DHCoS)』を開発した。本研究は、従来型DHCoSの課題(非集合型での実施、標準的な手法の整理、初級者向けの簡易版の設定等)の改善を図ると共に、近年の災害対応の知見も組込んだ、より実践的な籠城支援教育アプリ開発を目的とし、①実災害での対応を基に都道府県庁レベルでの籠城支援手法を標準化、②従来型DHCoSに①で標準化された手法を組込み整合性を確認、③仮想都道府県での演習資料の再構築とアプリ化(上級者編・初級者編)、④ DHCoSアプリをDMATインストラクター等で検証しアンケート調査で評価、⑤アンケート結果を基にアプリを修正・公開を行う。本研究により、本部における籠城支援能力の向上及び対応人材の拡大に繋がり、災害時に地域全体で医療機能を継続するための体制構築が期待できる。 2022年度は、①において発災後の対応手法の整理のみならず、事前準備として、支援対象医療機関のリスト化・優先支援が必要な医療機関の選定・必要資源量の見積もりが必要との検討結果に至った。具体的には、籠城支援に必要な施設情報の整理と地域の保健医療/防災関係者等での協議による『事前リスト』作成を行い、災害の種類・規模等によらない、汎用性の高いリストとして整理すると共に、地域全体での必要資源量の見積もりを算出し、平時の内に供給可能量の把握に繋げることで、より効果的・効率的な籠城支援が可能になると考えられた。更に②においては、事前リストでの必要項目及び優先支援の判断基準等の整理を行うと共に、DHCoSを1st(事前リスト作成)と2nd(事前リストに基づく特定の災害での対応方法の検討)に分けて、演習の再構築を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は、事前リスト作成という大きな方向転換を行ったが、研究協力者らと共に新バージョンのDHCoSを検証する機会(大規模地震時医療活動訓練及びDMAT地方ブロック訓練の企画等)を合計9県で得ることができ、更に事前リストを実際に訓練・研修等で検証することも出来たため、演習内容・手法共にほぼ固めることが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、演習内容・手法の細部検討(特に優先支援の判断基準の精度向上)を継続して行うと共に、アプリ化に向けて仮想都道府県での演習資料構築を進める。但し、特にDHCoS1stでは演習そのものが『地域の保健医療/防災関係者等での協議』を含めた事前リスト作成に重点を置く事となったため、初級者向けの対象施設数を絞った事前リスト作成(1st)と事前リストを活用した対応方法(2nd)の概要を学ぶツールとしてアプリ化を進めると共に、上級者向けには実際の各都道府県での実施に向けたTOT(Training of Trainers)教材として、演習の進行スライド(準備・解説ポイント等含む)及び演習資料(作成方法等含む)を作成し、WEB公開を検討する。
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