研究課題/領域番号 |
22K17327
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
川上 大志 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教 (10771579)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 費用対効果評価 / 費用対効果分析 / 心不全 / 遠隔モニタリング / ペースメーカ / QOL / システマティックレヴュー |
研究開始時の研究の概要 |
社会の高齢化や生活習慣の変化により本邦の心不全患者は増加している。現在、本邦の心不全患者数は120万人を超えると推定され、「心不全パンデミック」として医療上のみならず医療経済上も喫緊の課題となっている。近年の心不全治療は急速に発展しており、治療選択肢は大幅に広がった。しかしながら、その背景因子や原疾患は異なっており、治療成績は一定ではなく、患者毎に適切な治療法を選択する必要がある。また、新規治療は従来治療に比べて総じて高額であるが、その費用対効果は十分に検証されていない。本研究では、本邦における心不全治療の費用対効果を検証し、様々な状況に応じた最も費用対効果の高い心不全治療戦略を模索する。
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研究実績の概要 |
本研究課題は本邦における循環器診療、特に心不全診療に関する費用対効果分析を推進することである。本年度はペースメーカ患者における遠隔モニタリング管理の費用対効果分析を行った。近年、植込みデバイス管理において、遠隔モニタリングの重要性が増している。患者の通院負担の軽減やイベントやデバイストラブルの早期発見などに有効であることが報告されており、最新のガイドラインにおいても高い推奨度が明記されている。しかしながら、その費用対効果に関しては十分な検証がなされていなかった。そこで今回、日本の保険診療に基づいて、ペースメーカ管理における遠隔モニタリングの費用対効果分析を施行した。結果として、通常のペースメーカ管理においても遠隔モニタリングは費用対効果に優れており、特に中等度以上のリスク因子を持つ患者で特に費用対効果が高いことが明らかになった。この研究成果は日本循環器学会の総会で発表し、国際的な学術誌である「Journal of Cardiology」に報告、掲載された。 その他にも、冠動脈疾患に対するカテーテルインターベンションの際に使用される冠動脈イメージングの費用対効果分析なども行い、血管内イメージングの使用が費用対効果に優れることを明らかにした。研究成果は日本心血管インターベンション治療学会の総会で発表し、現在論文を執筆中である。 また、本邦における費用対効果評価の総論を愛媛医学に投稿、掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、本邦の保険診療に基づいた循環器診療における複数の費用対効果評価を行っている。昨年度は1本の原著英語論文を発表し、現在も1本の論文を執筆中である。また、費用対効果評価に欠かせないQOLスコアに関するシステマティックレヴューにも取り組んでいる。プロトコールが学術雑誌に掲載され、現在解析中である。その他にも複数の研究が進行中であり、進捗具合は順調であると考える。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き本邦における循環器診療に関する最新データの収集および結果の統合を行う。そのデータを基に、本邦における心疾患治療の費用対効果を評価し、さまざまな状況下における最も費用対効果の高い治療戦略を模索していく。 同時に、QOLスコアに関するシステマティックレヴューを完結させる。
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