研究課題/領域番号 |
22K17329
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
遠藤 彰 長崎大学, 熱帯医学・グローバルヘルス研究科, 客員研究員 (10866510)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 感染症数理モデル / 地域流行対策 / 政策分析 / 地域保健 / 感染症対策 |
研究開始時の研究の概要 |
COVID-19 流行においては感染症数理モデルの政策反映のための利用が急速に進んだ一方で、感染症対策の前線と数理モデル分析者との間に距離や制約があるために現場の文脈を踏まえたテイラーメイドな知見の収集と還元が十分に行えていない課題が残る。本研究では個人属性や異なる社会的場面、接触ネットワーク構造等を組み込むことで「実社会に紐づいた」流行モデルを構成する。これにより飲食店や学校など特定の社会的場面を対象とする介入など、感染対策の現場で求められる具体的政策判断への情報提供をより素早く精緻に行うことを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、感染症数理モデルを用いた流行対策現場との緊密な連携により、迅速な状況把握判断と対策の実行が要求される感染症流行下の地域公衆衛生に貢献すること、また複数のコミュニティ・社会場面からなる実社会における感染症流行の理解の解像度を高めることである。今年度は主に、COVID-19やインフルエンザなどの呼吸器感染症に関するモデルを用いた疫学的研究と、前年度から引き続いてエムポックス(サル痘)の世界的流行に関連した研究を行った。前者の成果として、COVID-19をケーススタディとしながら、複数変異株の流行下でワクチンの株別の効果及びその時間的減衰を日常的に収集されているデータから推定する研究を発表した(Murayama et al. 2023 Epidemics)。後者の成果として、各国でのエムポックス流行が当初期待されていたよりも早い段階でピークアウトした理由に関する考察材料を提供する研究(Murayama et al. 2023 J Infect Dis)や日本における流行開始と今後のアジア諸国における展開について議論するレター(Endo et al. 2023 Lancet)をそれぞれ国際誌にて発表した。これらに加えて、エムポックスの流行開始当初の輸入感染発生パターンを検討した研究(Jung et al. 2023 medRxiv)を行いプレプリントで公開した(現在国際誌に投稿中である)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
エムポックス流行の発生など、当初想定していなかったイベントの発生に伴う新規の(広い意味で当初の研究テーマの範囲内に収まる)研究計画を考案して実行した部分があるため、当初計画分を忠実に実施できたわけではないが、俯瞰的な観点における研究の進捗としては順調であると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画の根幹であった自治体データの提供について目処が立ったため、次年度は当該データの分析により焦点を当てて研究を進める。エムポックス研究についても並行して行う。
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