研究課題/領域番号 |
22K17336
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
松本 晃太郎 久留米大学, 付置研究所, 講師 (60932217)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 機械学習の解釈性手法 / 機械学習予測モデル / SHAP / 電子クリニカルパス / 電子クリニカルパ ス |
研究開始時の研究の概要 |
機械学習予測モデルは予測性能が高い一方、どのような変数がどのように予測に寄与しているか解釈が困難であるというブラックボックス性が実装の障壁となっている。本研究では、機械学習予測モデルの解釈手法であるSHapley Additive exPlanationsを併用して、症例毎に予測因子の寄与度やその振舞い方を可視化し、医療従事者が解釈可能な予測モデルを開発することを目的とする。さらに、多くの病院で電子カルテに実装されつつある電子クリニカルパスに着目し、上記の解釈可能な機械学習予測モデルを電子クリニカルパスに実装することで、医療従事者との相互連携性を生み出す仕組みの構築を目指す。
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研究実績の概要 |
予測モデル実装の対象施設と協議を行った結果、当初研究対象としていた脳卒中疾患を変更し、せん妄の予測に切り替えた。本邦では、2020年度診療報酬改定にて、せん妄ハイリスク患者ケア加算が新設され、すべての入院患者に対してせん妄のリスク因子の確認を行い、ハイリスク患者に対してせん妄対策を実施する体制が評価されるようになった。上記背景より、本研究との相互補完的関係にあると判断し、対象をせん妄予測とした。 【2022年度】 実装対象施設では既にせん妄発生を予測するためのリスクスコアを独自に開発していたが、対象施設の電子カルテデータを取得して確認したところ、偽陽性率と偽陰性率に改善の余地が認められた。そこで、取得可能なデータを用いて機械学習と解釈性手法による解析を実施し、リスクスコアの改訂を行った。さらに、せん妄のリスク症例への対策として、せん妄対策用の新しいクリニカルパスを導入した。この一連の流れを国際学会で発表しbest paper awardを受賞した(Matsumoto K, et al. Proceedings ofthe Asia Pacific Association for Medical Informatics 2022)。また、関連する内容が国際誌に受理された(Matsumoto K, et al. Appl. Sci. 2023, 13(3), 1564)。 【2023年度】 最適な予測アルゴリズムの選定を行うために、複数ある機械学習アルゴリズムの汎化性能の精査を行い、最適なアルゴリズム選定が行えた。この内容を国際誌に報告し、受理された(Matsumoto K, et al. JMIR Perioper Med. 2023;6:e50895)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた対象疾患は変更したものの、現在の医療情勢や実装対象施設のニーズに合致した疾患を選定することができた。また、機械学習と解釈性手法を組み合わせたアプローチでリスクスコアの改訂を行い、予測モデルを電子カルテに実装する上で必要な知見が得られた。さらに、機械学習予測モデルが高い精度で予測可能であることが示され、用いるべき予測因子の同定もできたため。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、実装対象施設と電子カルテの実装方法について協議し、2023年度に同定した最適なアルゴリズムを実装することを目指す。
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