研究課題/領域番号 |
22K17340
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
齋藤 麻里 (梶原麻里) 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, がん対策センター政策情報部副部長 (40898285)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | がん診療 / COVID-19 / がん登録 / CanReCO / 大腸がん / DPCデータ / 生存率格差 / 剥奪指標 |
研究開始時の研究の概要 |
世界的に健康格差が報告されており、国民皆保険制度を有する日本でも健康格差の存在が明らかになりつつある。がん生存率も患者の社会経済学的地位により格差があることが大阪府の1990-2000年代前半のデータより報告されている。がんの生存率格差が生じるメカニズムは解明されていないが、患者の年齢や性別の違い、併存疾患の有無の他に、がん医療へのアクセスのしやすさの差などが関与していると考えられる。本研究では大腸がん生存率の経済格差を最新のデータで示し、改善が比較的容易であるがん医療へのアクセス格差の有無を明らかにすることを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究は、大腸がんの生存率及び治療へのアクセスの経済的格差を明らかにすることを目的とする疫学研究である。本研究は当初2010~2015年のがん登録情報と詳細な治療情報を含むDiagnosis Procedure Combination(DPC)データを用いる計画であったが、COVID-19流行に伴い、大阪府内のがん診療拠点病院のデータを用いて同感染症のがん医療への影響を調査することを目的とした研究(CanReCO:Cancer Registry-based Study on the Impact of COVID-19 on Cancer Care in Osaka)が2021年にスタートした。2022年度はこのCanReCOのデータを用いて、COVID-19流行前後でがん患者の受療行動、治療へのアクセスがどう変化したかの解析を行った。研究結果は査読付き国際学術誌に発表した。 第一に、COVID-19流行前後(2019・2020年)で消化器がん(食道、胃、大腸、肝、胆のう、膵がん)ののべ新規診断数、初回治療開始数などの診療パターンを比較した。のべ新規診断数は2020年に減少し(2019年に比し胃がんで最大減少幅12.7%、膵がんで最小減少幅1.9%)、治療数も診断数とほぼ同幅の減少を認めた。 第二に、大阪府におけるがん患者(食道、胃、大腸、肝、膵、肺、乳、子宮頸がん患者)の初回治療時の府内移動(府内在住のがん患者が初回治療を受療する際に居住二次医療圏外へ移動することと定義)、及びそれへのCOVID-19流行の影響を一般化推定方程式を用い分析した。より高齢、より進行したステージの患者は居住圏内の病院で初回治療を開始する傾向にあった。また、COVID-19緊急事態宣言前後、79歳以下の患者と一部の医療圏において居住医療圏内で初回治療を開始したオッズ比が約10%、有意に上昇していた。
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