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遺伝的素因を考慮した低濃度化学物質のパーキンソン病誘発リスク評価系構築

研究課題

研究課題/領域番号 22K17344
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
研究機関広島大学

研究代表者

宮良 政嗣  広島大学, 医系科学研究科(薬), 助教 (60816346)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
キーワードパーキンソン病 / 環境要因 / ドパミン神経細胞 / ミトコンドリア / グルコース
研究開始時の研究の概要

パーキンソン病(PD)は、ドパミン神経細胞が選択的に死滅する神経変性疾患であり、遺伝的素因と環境要因の相互作用により発症すると考えられている。我々はこれまでに、低濃度PD関連化学物質によって引き起こされる細胞死は、「軽度ミトコンドリア機能障害」および「グルコース利用障害」の両条件が成立したときにのみ、認められる現象である可能性を見出している。本研究では、両条件のうちどちらか一方につながる遺伝的素因を有する場合、もう一方を引き起こす化学物質は低濃度曝露でもPDの環境要因になり得るのではないか、という考えに基づき、遺伝的素因を考慮した低濃度化学物質のPD誘発リスク評価系を構築することを目的とする。

研究成果の概要

本研究では、ヒト中脳由来細胞株LUHMES細胞を分化誘導することでドパミン神経細胞様の表現型を示すことを確認し、本細胞におけるミトコンドリア神経毒MPP+の曝露条件を検討した。また、軽度ミトコンドリア障害に対する感受性を制御するグルコース利用関連遺伝子特定の第一段階として、ドパミン神経細胞において特徴的な発現パターンを示す遺伝子を抽出した。しかし、LUHMES細胞の培養に問題が生じ、評価系の構築には至らなかった。一方、当初は計画していなかったが、ヒト神経芽細胞腫SH-SY5Y細胞を用いた解析から軽度ミトコンドリア障害とグルコース利用障害の両者による細胞死のメカニズムに関する知見も得られた。

研究成果の学術的意義や社会的意義

近年、ゲノムワイド関連解析によりパーキンソン病(PD)の遺伝的素因(感受性遺伝子)が明らかになりつつあるが、PDの発症に強く寄与する決定的な環境要因(特に化学物質)はいまだ特定されていない。本研究では、遺伝的素因を考慮した低濃度化学物質のPD誘発リスク評価系構築には至らなかったが、その第一段階としてドパミン神経細胞において特徴的な発現パターンを示す遺伝子を抽出することができた。今後、抽出した遺伝子群の中からミトコンドリア神経毒に対する感受性を制御するグルコース利用関連遺伝子を特定し、上述の評価系を構築することができれば、PDの発症に関与する化学物質の特定につながることが期待される。

報告書

(3件)
  • 2023 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 学会発表 (11件) (うち招待講演 2件)

  • [学会発表] パーキンソン病関連神経毒MPP+の毒性に関与するグルコース利用関連遺伝子の特定2024

    • 著者名/発表者名
      鈴木 楓大,宮良 政嗣,古武 弥一郎
    • 学会等名
      日本薬学会第144年会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 低濃度パーキンソン病関連化学物質によるグルコース代謝促進とオートファジー機能低下2023

    • 著者名/発表者名
      宮良 政嗣,古武 弥一郎
    • 学会等名
      フォーラム2023 衛生薬学・環境トキシコロジー
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] パーキンソン病関連神経毒によるp62核蓄積とp62核内機能の検討2023

    • 著者名/発表者名
      橋本 穂乃香,宮良 政嗣,桑原 由佳,津元 裕樹,三浦 ゆり,古武 弥一郎
    • 学会等名
      フォーラム2023 衛生薬学・環境トキシコロジー
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] パーキンソン病関連神経毒MPP+の感受性に関与する遺伝子の探索2023

    • 著者名/発表者名
      鈴木 楓大,宮良 政嗣,古武 弥一郎
    • 学会等名
      フォーラム2023 衛生薬学・環境トキシコロジー
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 慢性MPTPパーキンソン病モデルマウスの中脳黒質において発現変動を示す遺伝子の探索2023

    • 著者名/発表者名
      矢田 萌菜美,宮良 政嗣,岡田 奈都海,藤原 なつみ,橋本 穂乃香,古武 弥一郎
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 低濃度パーキンソン病関連化学物質によるオートファジー機能低下とp62核蓄積2022

    • 著者名/発表者名
      宮良 政嗣,古武 弥一郎
    • 学会等名
      第95回日本生化学会大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] マウス初代培養神経細胞におけるパーキンソン病関連神経毒MPP+応答遺伝子の探索2022

    • 著者名/発表者名
      宮良 政嗣,岡田 奈都海,神田 美幸,田原 栄俊,古武 弥一郎
    • 学会等名
      第61回日本薬学会・日本薬剤師会・日本病院薬剤師会 中国四国支部学術大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] MPTP慢性投与モデルマウスの中脳黒質における遺伝子発現変動解析2022

    • 著者名/発表者名
      矢田 萌菜美,宮良 政嗣,岡田 奈都海,橋本 穂乃香,藤原 なつみ,古武 弥一郎
    • 学会等名
      第61回日本薬学会・日本薬剤師会・日本病院薬剤師会 中国四国支部学術大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] リソソームストレス応答性転写因子TFEBの核内消失経路の探索2022

    • 著者名/発表者名
      宮良 政嗣,石谷 聡基,古武 弥一郎
    • 学会等名
      フォーラム2022 衛生薬学・環境トキシコロジー
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] パーキンソン病関連神経毒1BnTIQがオートファジー・リソソーム系に与える影響2022

    • 著者名/発表者名
      児島 有佑,宮良 政嗣,岡田 奈都海,古武 弥一郎
    • 学会等名
      フォーラム2022 衛生薬学・環境トキシコロジー
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 飢餓・ミトコンドリア障害時におけるタンパク質不溶化のメカニズム解明2022

    • 著者名/発表者名
      高尾 紗亜,宮良 政嗣,渡辺 南海子,古武 弥一郎
    • 学会等名
      フォーラム2022 衛生薬学・環境トキシコロジー
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2025-01-30  

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