研究課題/領域番号 |
22K17353
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
勇井 克也 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (50783875)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | Contraction / Relaxation / Shock / Endocannabinoid / Endothelial cell / Inflammation |
研究開始時の研究の概要 |
敗血症は、救命で遭遇する最も重篤な病態で、死亡率も40%-50%と非常に高いことが知られている。炎症下において病態の初期から血小板やマクロファージより放出される2-アラキドノイルグリセロール(2-AG)が、敗血症患者の血液中で急激に上昇し、重篤な血圧低下を起こすが、詳細は不明である。実際、敗血症の対処療法として血液洗浄による2-AGの除去が行なわれているに過ぎない。本研究において、2-AGを中心とした敗血症性ショックの初期における末梢循環調節機構を解明することにより、敗血症性ショックの遅延および予防が可能と考えた。末梢循環の血行動態の解明は、血液浄化法などの敗血症治療の根拠と成り得ることが期待される。
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研究実績の概要 |
内在性カンナビノイドである2-アラキドノイルグリセロール(2-AG)は敗血症患者において血中濃度が上昇し、敗血症性ショックにおける血圧低下に関与することが知られているものの詳細なメカニズムは不明のままである。2-AGの機能解明は敗血症治療方法の確立に貢献する可能性を秘めている。そこで、正常ラットの摘出血管を用い、2-AGを中心とした敗血症初期に起こるWarm shock時の末梢循環の分子機構を明らかにする。ラットの上腸間膜動脈のリング標本作製し、organ chamber内に懸垂する。標本に一定の張力を負荷し安定させた後、収縮惹起剤(フェニレフリン)を添加し、最大収縮に達した後に2-AGを添加し、張力変化の連続波形を解析した。結果、高2-AG単独負荷による急激な弛緩を確認した。さらにフェニレフリン収縮の30分前に2-AGを前処置すると、フェニレフリン収縮率が高2-AG単独負荷によって収縮の抑制効果を確認した。これらにより、高2-AGには血管を強く弛緩させる作用をもつことを示した。 また、フェニレフリン収縮の30分前に2-AGを前処置し、収縮が最大に達したところにサイトカインIL-1βを添加し、1時間毎の張力の変化を調べた。高濃度2-AG前処置では、サイトカイン誘導性の一過性収縮と急激な弛緩の発現を確認された。しかし、2-AG濃度が低い場合、一過性収縮ならびに弛緩が確認されなかった。今後、遺伝子発現の変化について行う予定である。本研究から、敗血症性ショックの初期における、血管恒常性維持に2-AG量の変化などの動態変化が非常に重要である可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度の実験計画通り実施した。 2-AGを用い張力変化の連続波形の解析を行った。高2-AGには血管を強く弛緩させることを確認した。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度の成果とともに引き続き研究を進め、2-AGが血管に及ぼす反応について、 2-AGの阻害剤(JZL184、URB597、AM251)、TXA2やNO経路の阻害剤などを用いて、さらに内皮細胞の剥離による抑制効果やサイトカインに対するの相乗効果への影響について検討する予定である。
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