研究課題/領域番号 |
22K17356
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
山田 景土 東邦大学, 医学部, 助教 (90832832)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | ディフィシル菌 / 小児 / 分子疫学 |
研究開始時の研究の概要 |
Clostridioides difficile(ディフィシル菌)は抗菌薬関連下痢症の主要な病原体である。乳幼児では成人と比較し高率に本菌が保菌されているが、それらが乳幼児に感染症を起こす事はほとんどない。その所為もあってか、乳幼児由来ディフィシル菌に関する研究データは少なく、乳幼児由来株が成人への感染リスクになるか十分なデータがない。本研究では、小児由来ディフィシル菌のゲノム情報を解読し、成人由来株のそれとを比較することで、小児由来株と成人由来株のクラスターがどのように分布するかを分析する。仮に異なるクラスターが確認されれば小児から成人への感染リスクが低い可能性が示される。
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研究実績の概要 |
Clostridioides difficile(ディフィシル菌)は抗菌薬関連下痢症の主要な病原体である。本菌はヒト腸管内に常在しており、抗菌薬投与等によってディフィシル菌優位となり、ディフィシル菌から産生せれる毒素によって腸炎を発症する。本菌は小児期の腸管において優位に保菌されているが、小児ではディフィシル菌に起因する腸炎の発症は稀であると言われている。そのため、起炎菌となり難い小児由来のディフィシル菌について分子疫学的解析を実施した例は少なく、小児由来株と成人由来株との関わりは明らかになっていない。そこで、本研究では、小児にターゲットを絞り、毒素産生株を収集、ゲノム配列を取得し、同時期に分離されている成人由来株のゲノム配列と比較することで、成人由来株と小児由来株の関連性を明らかにすることを目的とした。 前年度から引き続き小児由来株のドラフトゲノムを取得した。小児由来株のゲノムデータから、Multi-locus sequence typing (MLST)による菌株タイピングを行った。また、同時期に採取された成人由来株のゲノムデータと比較し、小児由来株と成人由来株ではMLSTで最優位となるsequence type (ST) が著しく異なる事が明らかになった。その一方で、同一STにクラスタリングされる系統も確認された。次年度以降で詳細な遺伝的解析を行い、論文化していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
小児に由来するディフィシル菌のドラフトゲノムを全て取得することが出来ている。概ね予定通りの進捗状況である。
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今後の研究の推進方策 |
ゲノムデータ、薬剤感受性データ、臨床情報の大部分を取得出来ているため、今後は必要に応じて再実験を行い、論文化の作業を行っていく。
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