研究課題/領域番号 |
22K17364
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
長嶺 由衣子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (70748368)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | かかりつけ医 / 社会的孤立 / 社会的処方 / 慢性疾患 / かかりつけ医の質 / 慢性疾患管理 / 高齢者疫学研究 |
研究開始時の研究の概要 |
呼び名こそ変われど、かかりつけ医は住民に最も身近な医療者として住民の生活を支えている。しかし、かかりつけ医がどの程度孤立状態の方にアクセスできているか、孤立状態の方の慢性疾患を管理できているか、について明らかにした研究はほとんどない。さらに、縦断調査で、地域レベルでかかりつけ医の質の変化と地域住民の社会的孤立状態の変化、その先にある慢性疾患管理の変化について明らかにした研究はこれまでない。本研究では、全国で行われている日本最大規模の高齢者疫学調査に、かかりつけ医の質の項目を盛り込み、かかりつけ医の質と社会的孤立、慢性疾患管理の関連を明らかにし、孤立対策の一つの道筋を提言することを目的とする。
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研究実績の概要 |
当初の予定通り、研究初年度の2022年度は介護予防・日常生活圏域ニーズ調査の実施年度として、データ収集を行った。結果、全国数十万人規模の政令指定都市から数千名規模の村まで、大小様々な約80自治体、約23万人のデータを取得することができた。研究計画立案時は、約40自治体の想定であったため、想定よりも約2倍多くの地域からデータ収集を行うことができた。うち、本研究の対象となる調査項目に回答したのは約25,000人、回収率60-70%であった(データクリーニングを行いながら最終確認中)。 予定通り、今年度から来年度にかけて、まず収集した横断データを用いて地域在住高齢者において、かかりつけ医の質と慢性疾患の管理状況、および社会的孤立の関連を明らかにする。加えて、社会的孤立状態にある方において、かかりつけ医が慢性疾患の管理を適切にできているかを明らかにする。 予備的分析として、すでにかかりつけ医の有無と関連する要因を検証したところ、診ている医師や医療機関がご本人のことを病気のことに限らず理解していると感じているという者の割合が高い自治体でかかりつけ医を持っている者の割合が高い関連が認められた。 その他にも、人口別医師数や関東や関西などの地域、可住地人口密度から見る都市度の違いなども関連する可能性のある要因としてかかりつけ医がいる者の割合との関連を検証したが、統計学的に有意な関連は認められなかった。 今後も、個人レベル、マルチレベル分析などを用いて分析を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
実績の概要で述べた通り、予定通り2022年度中にデータ収集を行うことができた。当初の予定では、40市町村程度からのデータ収集を見込んでいたが、実際には約2倍の78市町村からデータを収集することができた。 まずは、全体像を把握するため、自治体別に集計を行い、かかりつけ医の有無と関連する要因を検証したところ、診ている医師や医療機関がご本人のことを病気のことに限らず理解していると感じているという者の割合が高い自治体でかかりつけ医を持っている者の割合が高い関連が認められた。 その他にも、人口別医師数や関東や関西などの地域、可住地人口密度から見る都市度の違いなども関連する可能性のある要因としてかかりつけ医がいる者の割合との関連を検証したが、統計学的に有意な関連は認められなかった。 引き続き、得られたデータを元に、個人レベルやマルチレベルにて社会的孤立に対するかかりつけ医の果たしている役割があるか、について検証を行う。
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今後の研究の推進方策 |
同研究グループ内外で、社会的処方やかかりつけ医と社会的孤立の関連について関心を持つ若手研究者や指導者らとともにディスカッションをしながら分析を進めている。今年度は産休も挟むため、論文化は来年度以降になる可能性はあるが、今年度中にできる限りの分析を進め、学会発表等につなげる。来年度で論文化できる結果を導くべく、今年度分析を進める。
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