研究実績の概要 |
公的統計データを用いて, 母子保健指標と社会経済要因との関連について検討を行った。 1つ目の研究では, 早産率と世帯の職業との関連を分析し, 無職世帯で特に早産率が高いことを示した。2つ目の研究では, 市区町村単位で, 低出生体重率と地域の社会的剥奪度合いに正の関連があることを示した。3つ目の研究では, 低出生体重及び早産と母親の国籍との関連を明らかにし, フィリピンやブラジル国籍の母親は日本国籍の母親と比較して早産リスクが高いことと, 日本国籍の母親は他の国籍の母親と比較して低出生体重のリスクが高いことを示した。母親の国籍と低出生体重及び早産との関連については, 筆者の知る限り国内で初めて明らかになった点であり, 社会的に意義のある結果を提示できたと考えている。4つ目の研究では, 早産率と両親の学歴との関連を示し, 2000年から2020年の間において, 一貫して, 学歴が低くなるほど早産率が高くなる傾向があることを示した。
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