研究課題/領域番号 |
22K17373
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
古橋 寛子 九州大学, 医学研究院, 学術研究員 (40816774)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 漢方 / 生薬 / 多剤併用 / ポリファーマシー / 副作用 / 電子カルテデータ / リアルワールドデータ |
研究開始時の研究の概要 |
漢方薬を西洋薬のように多剤併用すると、意図せず同一あるいは類似の生薬が重複してしまう可能性がある。昨今の漢方薬の使用増加により、このような多剤併用による副作用等の発生、すなわち「漢方薬のポリファーマシー」が懸念されている。 そこで、本研究では大規模なリアルワールドデータである電子カルテデータを用いて、漢方薬の多剤併用が、代表的な副作用である①間質性肺炎、②薬物性肝障害、③偽アルドステロン症の3つの疾患の発症リスクに関連しているかを明らかにする。 本研究により今後ますます増加が見込まれる漢方薬の多剤併用やそれに伴うポリファーマシーについての基礎的なエビデンスを創出し、その適正使用に貢献する。
|
研究実績の概要 |
漢方薬を西洋薬のように多剤併用すると、意図せず同一あるいは類似の構成生薬が重複してしまう可能性がある。昨今の漢方薬の使用増加により、このような漢方薬の多剤併用による有害事象の発生、すなわち「漢方薬のポリファーマシー」の発生が懸念されている。そこで、本研究課題では大規模なリアルワールドデータである大学病院の電子カルテデータを用いた観察研究によって、漢方薬の多剤併用が代表的な副作用である①間質性肺炎、②薬物性肝障害、③偽アルドステロン症の3つの疾患の発症リスクと関連するか否かを明らかにすることを目指している。 今年度は研究実施計画に則り3つの予備検討を実施し、次年度以降の本解析の基礎となる結果を得られた。 ①曝露としての多剤併用の定義:先行課題で採用していた1日単位での定義の他、本研究手法を将来的にレセプトデータ等へ適応することを想定して月単位での定義も検討した。また、時間的な観点に加えて、構成生薬の観点から対象とするアウトカムの疾患との関連が示唆されている生薬を含むか含まないかも考慮して、複数の定義を設定した。 ②各疾患のアウトカム定義:偽アルドステロン症のアウトカム定義を検討したが、電子カルテの構造化データでの定義に難渋しており継続検討中である。 ③想定しうる交絡因子とその調整を考慮した解析方法:研究計画時に想定していた傾向スコアを利用する方法に加えて、曝露の定義によっては自己対照研究デザインも有用であることがわかった。本解析では、各アウトカム疾患や曝露定義の特性に合わせて検討した手法の中から最適な手法を選択し、他の手法を必要に応じて感度分析に利用することとした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一部未完了点が残っているものの、概ね研究実施計画通りに3つの予備検討に取り組むことができた。 次年度以降は引き続き本解析に取り組んでいく。
|
今後の研究の推進方策 |
研究実施計画に則り、①間質性肺炎の発症リスクとの関連、②薬剤性肝障害の発症リスクとの関連 の2つの本解析に取り組む予定である。あわせて、今年度の残余課題である偽アルドステロン症のアウトカム定義についても継続検討する。 また、今年度は学会での研究成果報告がかなわなかったので、次年度は本解析結果について国内学会での発表をめざす。
|