研究課題/領域番号 |
22K17379
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
石丸 知宏 産業医科大学, 医学部, 准教授 (30813737)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 産業保健 / 転倒 / タイ / 高齢化 / 労働災害 / 農業 / 労働安全衛生 |
研究開始時の研究の概要 |
アジア新興国において、主要産業の農業従事者の高齢化に対応した安全健康施策は喫緊の課題である。本研究では、アジア新興国の中で最も早く高齢化が進行するタイの農業従事者を対象に高齢者に特徴的な労働災害である転倒災害を防止するプログラムの介入効果をランダム化比較試験で検証する。申請者はこれまでタイの農業従事者の加齢による身体機能低下を調査してきた。タイの農村での既存の良好実践に融合させて、日本の製造現場で実践されている高齢労働者向け転倒災害防止プログラムを応用実践して介入効果を検証する。本研究を通して、日本の製造現場の経験・技術・知見をアジア新興国の農業従事者に展開する上での学術的知見を得る。
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研究実績の概要 |
本研究は、タイの農業従事者に対して、「転倒等災害リスク評価セルフチェックを用いたリスク認知」と「転倒に焦点を当てた参加型職場環境改善」を組み合わせた研修の効果を検証する準実験的研究(Quasiexperimental study)である。 「転倒に焦点を当てた参加型職場環境改善」は、本介入のために、農作業時の転倒リスクを特定し、自分たちでできる予防対策アクションチェックリスト(15項目)を関連資料を基に独自に開発した。参加型職場環境改善では、転倒災害の問題点とアクションチェックリストの使用方法に関する講義(30分)、アクションチェックリストを用いたグループワーク(1時間)、自分たちでできる予防対策の発表会(30分)で構成した。 調査地であるタイのナン県とサラブリ県で本研究への参加に同意が得られた者(389名)に対し、2022年7月にベースライン調査として、アンケート、身体計測、転倒等災害リスク評価セルフチェックを実施した。参加者全員に対して転倒等災害リスク評価セルフチェックの結果は測定直後にフィードバックした。次に、2022年8月に転倒に焦点を当てた参加型職場環境改善の研修を介入群(71名)に対して実施した。最後に、2023年2月から3月にかけてフォローアップ調査として、ベースラインと同じアンケート、身体計測、転倒等災害リスク評価セルフチェックを参加者全員に対して実施した。 調査地クラスターをランダム抽出、介入群の71名と対照群の302名に分け、介入群に対してのみ介入を行い、それぞれ62人(介入群)と169人(対照群)が解析対象となった。統計解析の結果、過去6ヵ月間の転倒の発生率は介入群で41.9%から22.6%に減少したが、統計的有意差は認めなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通りに調査を実施している。現地視察、倫理審査の承認、ベースライン調査、フォローアップ調査、データ処理、統計解析まで完了した。ただし、6ヶ月時点での介入効果を認めず、以後のフォローアップ調査を中止とした。
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今後の研究の推進方策 |
研究成果の論文化、国際ワークショップの開催を行う。
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