研究課題/領域番号 |
22K17382
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
金原 里恵子 国立研究開発法人国立がん研究センター, がん対策研究所, 研究員 (60887305)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 腸内細菌 / 単純糖質 / 大腸がん / 大腸腫瘍 / リポ多糖 / 食事 / 糖質摂取量 |
研究開始時の研究の概要 |
糖質の過剰摂取は、肥満に対して確実なリスク要因であるという評価がなされているが、大腸腫瘍との関連は明らかになっていない。一方腸内細菌は、糖質摂取と大腸腫瘍との関連に影響している可能性がある。 本研究では、日本人について、①糖質摂取と大腸がんの関連について検討し、次に②糖質摂取と腸内細菌やその由来物質との関連を明らかにし、さらに③腸内細菌やその由来物質と大腸腫瘍リスクとの関連を検討する。 本研究は、糖質の摂取量が、腸内細菌の働きによって大腸腫瘍とどのように関連するのか、その機序を明らかにし、日本人の大腸がんの罹患率が世界的に多い理由について、国際的に重要な知見を提供することを目指す。
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研究実績の概要 |
糖質摂取量と大腸がんの関連について、多目的コホート研究で検討した結果を学会発表した(論文は発表済)。また、米国の多民族コホート研究(Multiethnic Cohort (MEC) Study)は日系米国人集団も含むコホート研究であることから、多目的コホート研究で検討した結果と比較することでより深く検討できると考え、MEC Studyにおいても同様のデザインで、糖質摂取量と大腸がん罹患リスクの関連について解析した。MEC Studyにおいては、糖質摂取量が多いと大腸がん罹患リスクが増加する関連が観察され、その関連は特に結腸がんや若い年代(ベースライン時点で45-54歳)、ラテン系のグループで強く見られた。この結果をまとめ終え、論文投稿中である。さらに、2024年9月に国際学会にて発表予定である。 大島研究における腸内細菌の分布およびその由来物質(リポ多糖)については、測定結果を用いて、データ解析中である。また、腸内細菌と大腸腫瘍との関連について解析したところ、大腸腺腫あり群(AC群)、鋸歯状病変or過形成ポリープあり群(SE群)、病変なし群(対照群)の間で、腸内細菌のα多様性には明確な違いは観察されなかった。一方、いくつかの個別腸内細菌(属レベル)の分布をAC群 vs 対照群、そしてSE群 vs 対照群で比較したところ、AC群で増加していた個別の腸内細菌がSE群では増加しておらず、比較結果に違いが観察され、大腸腫瘍の種類によって腸内細菌との関連に違いがある可能性が示唆された。これらの結果について2024年2月に学会発表し、現在論文作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度に実施予定の計画のうち、リポ多糖に関する解析はやや遅延しているが、先行して取り組んだ課題や追加の検討課題は順調に進捗している。2024年度に実施予定の項目も順調に着手している。
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今後の研究の推進方策 |
MEC Studyでの糖質摂取と大腸がんとの関連については2024年度前半に論文発表予定である。腸内細菌と大腸腫瘍との関連についても2024年度前半に論文投稿する目論見である。糖質摂取量と腸内細菌の分布およびその由来物質(リポ多糖)との関連については引き続き解析をすすめ、2024年度中に論文としてまとめる予定である。
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