研究課題/領域番号 |
22K17404
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
西岡 大輔 大阪医科薬科大学, 研究支援センター, 講師 (90901041)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 生活保護 / 被保護者健康管理支援事業 / 生活困窮者 / 医療扶助 / 貧困 / 健康 / 生活困窮者の健康支援 |
研究開始時の研究の概要 |
生活保護利用者の健康上のニーズに応えるべく被保護者健康管理支援事業が創設され全国の福祉事務所で実施されているが、利用者の健康状態に関する基礎的なエビデンスは乏しい。本研究では、日本国内の複数の自治体の生活保護行政データ等を用いて同事業が利用者に与える影響を学際的・計量的に明らかにする。事業が効果的な利用者と追加支援が必要な利用者を特定し、エビデンスに基づいた利用者の健康支援に資するデータを形成する。被保護者健康管理支援事業の政策評価だけでなく、生活困窮者の健康な生活を支援するしくみとしての生活保護制度の妥当性の検証や、生活困窮者の健康支援理論の構築を視野に入れた長期的な研究の基盤を構築する。
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研究実績の概要 |
生活保護利用者(以下、利用者)の健康上のニーズに応えるべく被保護者健康管理支援事業が創設され全国の福祉事務所で実施されている。一方で、利用者の健康状態に関する基礎的なエビデンスはいまだ不十分であり、同事業の実施が利用者の健康や社会生活、福祉事務所の財政等に与える影響は検証されていない。そこで本研究では、福祉事務所が所有する生活保護行政データ等を用いて、同事業が利用者および福祉事務所へ与える影響を疫学、社会福祉学、経済学などの観点を踏まえ学際的・計量的に明らかにし、事業が効果的な利用者と、追加支援が必要な利用者を特定し、学術的なエビデンスに基づいた同事業の質改善に資するデータを形成することを目的とした。 令和4年度は、国内の複数の自治体を中心に定期的な面談(訪問&オンライン)を実施し、データの利用に向けた環境整備を行い、自治体との協議の上、福祉事務所のデータの研究利用について合意を得、うち1自治体とは共同研究契約を結んだ。利用者の基礎情報に関するデータ、医療扶助レセプトデータ、同自治体の高齢者福祉に関連するデータを受領して、データクリーニングを行い分析を開始した。その成果として、利用者の受療行動に関する初期的な分析結果を得た。具体的には、利用者の受療行動(頻回受診など)には、利用者の個人要因だけでなく、地域の社会環境要因が関連しており、居住地域の特徴による差異が存在していることを示した。研究成果は第82回日本公衆衛生学会総会(茨城県つくば市)で発表し、論文化を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データ受領までの手続きに時間を要したが、受療行動に関するデータ分析はおおむね順調に進展し、初期的分析結果を得た。また福祉事務所のヒアリングを複数の自治体で実施し、被保護者健康管理支援事業に関するデータ分析の要点や事業実施上の課題等を理解した。
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今後の研究の推進方策 |
現在入手しているデータをもとに分析をさらに重ね、令和5年度中には複数の学会発表および学術論文としてまとめる予定である。それらをもとに、生活困窮者の健康支援戦略の基礎的な概念を整理し検討を進め、令和6年度のまとめにつなげていく。
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