研究課題/領域番号 |
22K17405
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
|
研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
森川 渚 久留米大学, 医学部, 助教 (30771373)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | エクソソーム / アンジオテンシノーゲン / フレイル / 老化 / コホート / 疫学 / 軽度認知機能障害 |
研究開始時の研究の概要 |
軽度認知機能障害(Mild cognitive impairment, MCI)は認知症の予防において最も重要な介入のタイミングである。近年、認知機能が正常に戻る潜在的可逆的MCIの存在が言われているが、その病態は未解明である。エクソソームは細胞間コミュニケーションを行う細胞外小胞であり、早期の細胞レベルの変化をとらえることができる。申請者らはこれまでにMCIへの進行と歩行速度低下を認めた人達の血清エクソソーム内のアンジオテンシノーゲンの発現が著明に低下していることを発見した。そこで血清エクソソーム内のアンジオテンシノーゲンがMCIへの進行を予測するかを明らかにすることが本研究の目的である。
|
研究成果の概要 |
田主丸コホート研究において認知機能・歩行速度の正常群と低下群の2つのグループにおいて、血清のエクソソームやその中のAngiotensinogen(Agt)値を調査しその違いがあるかを調べた。結果、エクソソーム数やサイズは変わらず、含有タンパク量は低下群で多かった。認知機能が低下する前の段階ではエクソソーム内のAgt値は2つのグループの間で有意な差は認めなかったが、認知機能・歩行速度が低下した後では低下群で正常群と比べるとAgt値は有意に低値していた。フレイルがエクソソーム内のAgt低値と有意に関連していたことが分かった。そのメカニズムについては今後さらに研究が必要である。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
当研究の結果は、これまで確立されていなかった軽度認知機能障害(Mild cognitive impairment, MCI)や運動機能低下(サルコペニア)の予測バイオマーカーの開発につながる可能性はある。2025年には日本の全人口の20%が75歳以上の超高齢化社会となる。また正常認知機能の場合年に1-2%が認知症へ進行するのに対して、MCIでは年に5-10%と上昇し認知症リスクは高いことが知られ、現在日本に約400万人存在すると言われている。したがってこの400万人に対して早期発見・介入を行うことで、年間20-40万人の認知症発症を防ぐことが期待される。
|