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ケトアシドーシスの死後診断に応用可能な病理所見診断基準及び脂質マーカーの探索

研究課題

研究課題/領域番号 22K17413
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分58040:法医学関連
研究機関千葉大学

研究代表者

星岡 佑美  千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (30748372)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワード法医学 / ケトアシドーシス / 腎臓病理 / 脂質分析
研究開始時の研究の概要

法医学分野において糖尿病やアルコール、向精神薬の副作用などによるケトアシドーシスは死亡原因の重要な鑑別の一つである。法医鑑定に応用可能な診断マーカーの探索を目的とし、以下の2点について検討する。
1.法医解剖時に採取した腎臓の病理組織検査において、糖尿病やケトアシドーシスにおいて見られるとされる尿細管核下空胞の定量的検討を行う。また血中及び尿中ケトン体濃度等との関連を検討する。
2.尿細管核下空胞に蓄積する脂質成分の同定を試みる。腎臓から抽出した脂質成分を分析し、核下空胞の見られる腎臓において有意に検出強度の高い成分について構造推定を行う。

研究実績の概要

当研究は、糖尿病やアルコール多飲、向精神薬の副作用などにより起こり、致死的となりうる代謝疾患の一つであるケトアシドーシスに着目し、その法医解剖に応用可能な診断マーカーの探索を目的としている。
本年度は、過去の解剖時に検査を実施した血液中や尿中のケトン体(アセト酢酸、βヒドロキシ酪酸)濃度、糖濃度、腎機能の指標である血中尿素窒素濃度やクレアチニン濃度、エタノール濃度など、死後検体でも比較的評価可能な濃度の検査結果や、病理組織検査の結果について、死因診断にどの程度寄与しているか等についての記述的及び統計的検討を行った。この結果は次年度の法医中毒研究会にて講演を行う予定である。
また、法医解剖中に採取した腎臓の病理組織検査において、ケトアシドーシスにおいて見られるとされている尿細管核下空胞の面積等を、HE染色及び脂肪染色組織切片を用いて画像処理ソフトウェアで測定し、定量的に評価可能な指標を見出すための予備的検討及び本測定を行う予定であった。また、血中及び尿中ケトン体濃度や血中尿素窒素及びクレアチニン濃度なども測定し、これらの結果と、上述の腎臓の病理組織所見との関連を検討する予定であった。しかし、研究者の長期にわたる体調不良のため、研究時間の確保が困難であり、研究実施計画の設定や文献検索等までしか行えず、適切な事例の選定や病理組織染色には至らず、当初計画していたソフトウェア上での空胞の面積測定などはできなかった。
同様に、尿細管核下空胞に蓄積する脂質成分の同定についても、適切な事例の選定が困難であり実施できなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

研究者の長期にわたる体調不良のため、研究時間の確保が困難であった。
そのため、法医解剖事例からの腎臓検体採取に関し、該当事例の把握が困難であり、検体収集・組織染色ができなかった。

今後の研究の推進方策

腎臓の病理組織切片における尿細管核下空胞の検討については、まず法医解剖事例から摘出した腎臓について、HE染色及び脂肪染色組織切片を作成し観察する。染色プレパラートはバーチャルスライドシステムに導入し、質的な評価を行う。またそのデータを画像処理ソフトウェアを用いて、HE染色においては空胞が、脂肪染色においては染色性が見られる範囲の面積などを測定し、全体との比率など定量化できないか検討する。
同時に、解剖中に採取した血液及び尿、その他代替試料のケトン体濃度、糖濃度、尿素窒素及びクレアチニン濃度等を測定する。これらの検査結果と上述の病理組織所見に関連があるかどうか検討する。更に各鑑定医の鑑定結果を参照し、病理組織での検討結果が鑑定に有用であるか検討する。
尿細管核下空胞に蓄積する脂質成分の同定については、上述の検討で用いた腎臓について、一部を保存し脂質を抽出し、質量分析計を用いて核下空胞に蓄積されている脂質成分の構造推定を行う。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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