研究課題/領域番号 |
22K17440
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
野上 龍太郎 大分大学, 医学部, 助教 (10908544)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 気管吸引 / 一度に連続して行う数回の吸引操作 / 気管粘膜 / 動物実験 / 現状調査 / 粘膜損傷 / 走査電子顕微鏡 / 光学顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
気管吸引は、150mmHgを超えない圧での実施が推奨されている。一方臨床現場においては、1回の吸引で十分な気道浄化が図れない場合もあり、繰り返し実施することがある。その際、仮に適正圧であっても、繰り返しの実施により重篤な粘膜損傷を引き起こす危険性があると推察する。しかし、繰り返し実施した際の粘膜損傷について検証した研究はない。そこで本研究では、適正圧での複数回の実施による粘膜損傷について検証し、複数回実施した場合でも重篤な粘膜損傷に至らない回数を明らかにする。このことにより、呼吸障害や肺合併症を予防するために重要な看護行為である気管吸引を、より安全に実施するための方法確立に貢献できると考える。
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研究実績の概要 |
臨床現場において、一度に複数回連続した気管吸引操作が行われている状況が本当にあるのかといった気管吸引の実施状況を把握する目的で、調査の準備を進めた。しかし、気管吸引の実施回数等は、対象者の疾患や状態、実施時の気管分泌物の量や性状によって変化するため、現状を反映したデータを得るための調査が困難であった。 しかし研究者自身、臨床現場で気管吸引を行う際、一度に複数回連続した気管吸引操作を行うことは珍しいことではなかった。また、2023年度に改訂された日本呼吸療法医学会から発表された気管吸引ガイドラン2023においても、一度に連続して行われる数回の吸引操作を「一連吸引」と定義し、このような状況を前提として書かれていることからも、臨床現場においては、一度に複数回連続した気管吸引操作が行われている状況があると判断し、実施状況把握のための調査は行わないことにした。 動物実験施設の専門スタッフからアドバイスをいただきながら、動物実験委員会から動物実験計画実施の承認を得るための実験計画書の作成を進めている。使用する動物実験について、実施が可能であればラットも候補として考えていたため、他研究者が実験で使用したラットを譲り受け、気管を摘出し、実験が可能か確認した。摘出した気管を切開し、シート状に広げたが、臨床現場で使用している気管吸引チューブでの吸引が可能な大きさが確保できなかった。このことは、ラットの週数に関わらず難しい状況であったため、実験で使用する動物はウサギに決定した。その他、使用する麻酔薬の検討や気管粘膜の死後変化が実験結果に影響しない方法など、実験方法の最終確認を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
実際に調査を行うには至らなかったが、臨床現場での吸引操作の実施状況把握のための調査の準備に時間を要したため、当初の計画より遅れている。現在は当初の計画通り、動物実験の準備を進め、動物実験実施の承認を得るための計画書作成の最終段階に入っている。
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今後の研究の推進方策 |
7月中には実験を実施し、得られた組織から光学顕微鏡用・走査電子顕微鏡用試料を作成し、年内をめどに観察を終了し、所見をまとめる。その後、得られた所見から気管粘膜への影響を検証し、連続した気管吸引による気管粘膜への影響を結論としてまとめる。
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