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統合失調症者のストレングスに着目してリカバリー推進を図る看護教育プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K17467
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分58060:臨床看護学関連
研究機関筑波大学

研究代表者

菅谷 智一  筑波大学, 医学医療系, 助教 (60824307)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード統合失調症者 / リカバリー支援 / 看護実践能力 / 自己概念 / 居場所感 / 社会資源 / ピアサポート / ストレングス / リカバリー / 看護教育プログラム / リカバリー支援能力
研究開始時の研究の概要

統合失調症者は精神科病床の半数以上を占めており、精神科医療・看護において注目されている。
これまで、「できないこと」や障害に注目し、改善する医療モデルにて医療や看護が行われてきた。しかし、近年は患者の良い部分であるストレングスに注目し、疾患を抱えながらも新しい人生の意味や価値を見いだすリカバリーを推進する関わりの必要性が指摘されてきている。
そこで本研究は統合失調症者のリカバリーを推進するために、ストレングスに着目し、新たな看護教育プログラムを開発し、その有効性を検証することを目的としている。
本研究は本邦において精神科看護の中にリカバリー概念を浸透させることの一助になると考える。

研究実績の概要

2021年度に調査したデータを分析し、①統合失調症者のリカバリーに関連する要因、②精神科看護職者の看護実践能力とリカバリー支援能力との関連、③統合失調症者のリカバリーと担当看護職のリカバリー支援能力との関連について検討した。
①統合失調症者のリカバリーには、自己概念や居場所感が影響していると考えられたものの、精神症状や患者‐看護師関係、被リカバリー支援感は関連が認められなかった。
②精神看護職者の看護実践能力とリカバリー支援能力には中程度の相関が認められたものの、これまでの看護実践能力だけではリカバリー支援の「個別の支援」や「社会資源の活用」、「ピアサポート促進」にはつながらないことが示唆された。一方で、「患者の主体性を引き出す力」はリカバリー支援能力と最も高い相関(r=.51)があり、必要性が示唆された。
③統合失調症者のリカバリーと担当看護職のリカバリー支援能力の間ではr=.19と相関が認められなかった。統合失調症者のリカバリーは、担当看護職1名のリカバリー支援能力とは関連がないことがわかり、担当看護職1名のリカバリー支援能力だけでは対象となる統合失調症者のリカバリーを推進することはできないことが示唆され、医療チーム全体としてリカバリー支援能力を高めていく必要性があると考えられた。
以上の結果と合わせて、研究者らのこれまでの研究データを分析し、入院患者と外来通院患者、訪問看護利用患者との間でリカバリーに有意差は認められなかったことから、既存の支援ではなく、リカバリー推進に特化した支援の必要性が確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2023年度中に、統合失調症者のストレングスに着目してリカバリー推進を図る教育プログラムの原案を作成する予定であったが、これまでの研究調査データの分析に時間がかかってしまっていた。また、教育プログラム原案を検討する研究協力者間の都合がつかず、当初計画していたプログラム原案の作成まで進めることができなかった。

今後の研究の推進方策

これまでの分析結果や先行研究の文献検討を踏まえて、研究協力者と共にリカバリー推進を図る教育プログラム原案を作成し、その有用性を検討していく予定である。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] 統合失調症者の病気の自覚とリカバリーの関連2023

    • 著者名/発表者名
      藤田里帆,菅谷智一,森千鶴
    • 雑誌名

      看護教育研究学会誌

      巻: 15(1) ページ: 15-24

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 入院中の統合失調症者のリカバリーに関連する要因2023

    • 著者名/発表者名
      林朱華; 小﨑詩奈; 田端一成; 濱野幸和; 古谷貴司; 鮎川真奈美; 河井達哉; 森千鶴; 菅谷 智一
    • 学会等名
      第17回看護教育研究学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 入院中の統合失調症者の患者ー看護師関係と居場所感の関連2023

    • 著者名/発表者名
      小﨑詩奈; 林朱華; 田端一成; 濱野幸和; 古谷貴司; 鮎川真奈美; 河井達哉; 森千鶴; 菅谷 智一
    • 学会等名
      第17回看護教育研究学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 精神科看護職者の看護実践能力とリカバリーを支援する能力との関連2023

    • 著者名/発表者名
      田端一成; 林朱華; 小﨑詩奈; 濱野幸和; 古谷貴司; 鮎川真奈美; 河井達哉; 森千鶴; 菅谷 智一
    • 学会等名
      第43回日本看護科学学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 入院中の統合失調症者のリカバリーと担当看護職のリカバリー支援能力の関連2023

    • 著者名/発表者名
      菅谷 智一; 小﨑詩奈; 林朱華; 田端一成; 濱野幸和; 古谷貴司; 鮎川真奈美; 河井達哉; 森千鶴
    • 学会等名
      第43回日本看護科学学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 統合失調症者の居場所感とリカバリーにおける入院患者と訪問看護利用者の比較2023

    • 著者名/発表者名
      小﨑詩奈; 林朱華; 西将希; 菅谷 智一
    • 学会等名
      第43回日本看護科学学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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