研究課題/領域番号 |
22K17469
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
野口 綾子 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 講師 (20871594)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | rapid response system / クリティカルケア / early warning system / 医療の質 / Advanced care planning |
研究開始時の研究の概要 |
病院内でも予期せぬ心停止をきたした患者の予後は悪く、その数時間前より変化するバイタルサインからリスクを予測する早期警告スコアEarly warning score(EWS)の活用や、早期に専門家チームが治療介入するRapid response system(RRS)を確立し、いかに院内急変や院内心停止を防ぐかは近年の重要な課題である。しかし医療現場での労働力が不足する現状でこの実現には多くの課題がある。本研究はこの課題を解決するために、リスク患者の把握にEWS自動アラートシステムが有用と仮説を立て、導入し早期からプロアクティブに巡回する形態のRRSを構築し、臨床アウトカムの改善を検証する。
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研究実績の概要 |
本研究は、リスク患者の把握から介入までがより早期にできる実現可能なRapid response systemの形態を検討することを目的としている。 急変リスク患者の把握において看護師の個々の認識の差異、測定漏れや見落とし、業務負荷などの影響を回避できるEarly warning scoreの自動スコアリングシステムを導入したプロアクティブ巡回型のRapid response systemが、急変や心停止を減らすことができるかを検証することを目的とする。 本研究はフェーズ1でシステム構築、フェーズ2で導入、フェーズ3で評価を行う。令和5年度は、EWSシステム導入の第2段階である病棟への導入までを行い、フェーズ2を完了した。予定していた全病棟へのEWSについての知識提供とシステム導入を行い、EWSによるRRTの起動基準を周知した。EWSデータを用いて、月毎のリスク患者総数と呼吸数測定率を病棟毎に算出し、フィードバックを開始している。これらは院内で関係各部門を巻き込み、プロジェクトチームを立ち上げて進めており、研究プロセスそのものにおいても医療の質改善に貢献している。システムでのデータ抽出の課題がみつかり、プログラムの修正を図る必要があったためこれについても修正を行った。収集されたデータから新たに臨床上の課題として呼吸数測定率の欠測が見えたため、その要因について解析し改善を図ることでデータの質をあげることにも還元させている。これらの取り組みの主軸とするプロアクティブ巡回型のRapid response systemの影響についての論文を執筆し、研究過程でみえてきた課題、変化や要因解析の結果については、第26回日本臨床救急医学会総会・学術集会の教育講演と、第51回日本集中治療医学会学術集会において発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データの欠損が多いことにより、改善の可能性を検討しながら進めていく必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、迅速対応チームの巡回の継続に加えて、データの欠損の課題解決に向けた取り組みも進めながらデータ収集を継続する。並行して導入前2年間と、第1段階、第2段階で得られたデータのクリーニングと解析を開始する。適宜新たに得られた知見は、学会発表などで公表していく。 令和7年度には、得られたデータを統計学的に解析し、EWSシステム導入の効果を検証する。また結果をまとめ国内外に発表する。
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