研究課題/領域番号 |
22K17481
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
伊藤 文子 帝京大学, 医療技術学部, 講師 (30738018)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 統合失調症 / 長期入院経験 / 地域生活 / 方略 / ストラテジー / 精神 / 生活 / 方略(ストラテジー) |
研究開始時の研究の概要 |
2004年の「精神保健医療福祉の改革ビジョン」以降、長期入院経験を持つ統合失調症者において退院支援が積極的に推し進められ、地域における生活維持に対する支援が喫緊の課題となっている。しかし、地域で生活する統合失調症者は必ずしも受動的に生活をしているわけではなく自分なりの自律性をもち責任ある生活を営んでいる。それらを明らかにするため個人的な生活や経験の語りから統合失調症者が生活を維持するためのもの(社会的資源)が何であるかを読み解き、どのような自己を維持することで個々人の生活維持が可能になるのかその生活の営みの方略(ストラテジー)を当事者の目線から明らかにし具体的な支援の在り方について示唆を得る。
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研究実績の概要 |
思考の異常や自我の障害を主とした疾患である統合失調症の人々が、活動制限や参加制約による社会的な孤立や自尊心の低下(國方ら2006)を持ち合わせながらも、地域において自分らしく生活を構築するためにどのような自己概念を形成し、症状のコントロールを行っているのか。自身の研究においても、治療を継続してきた当事者の価値評価に沿うことにより、かならずしも他者のサポートがなくとも、自律的な生活の営みが可能になることを明らかにしており(伊藤,2020)、実際多くの統合失調症者は地域生活を営んでいる。よって、長期入院経験を有しながらも地域において生活を維持している統合失調症の人々が、どのような自己を維持することによって、地域での生活維持が可能になるのか、その生活の営みの方略(ストラテジー)を明らかにすることを目的に研究を進めている。 まず2022年度の計画として、対象条件に即した研究参加者より語りのデータを収集した。研究参加者計4名において1名につき約4回程度のインタビューを繰り返し行い、フィールドノーツを踏まえトランスクリプト(逐語録)を作成した。当初は10名ほどの研究参加者を予定していたが、1人が4回ほどのインタビューに参加してくれたことからまずは4名のデータを分析していくことに変更した。 2023年度は、ライフストーリー研究法を参考に個人的な生活や経験の語りにおいて、統合失調症の人々にとって地域での生活を維持するためのもの(社会的資源)が何であるのか、またその生活の営みにおける個別的な方略(ストラテジー)を読み解き分析を行った。その結果、生活の営みにおける個別的な方略のなかに患者自身の病識やそれに伴う服薬行動が関与することが明らかとなり、まずはその部分に焦点を当て分析結果をまとめ学会発表を行った。2024年度は引き続き分析結果において明らかとなったカテゴリーに焦点を当てて分析を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究参加者のデータ4名の分析について、1名あたりのデータ量が大きいため、分析に時間を要している。引き続き、データ分析の作業を行っていく。
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今後の研究の推進方策 |
4名のデータについて、スーパーバイズの指導のもと、引き続き分析を行い、各研究参加者の特性を整理していく予定である。その分析結果をもとに、2024年度に雑誌投稿および、海外の学会にて発表が行えるよう、準備を進めていきたいと考えている。
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