研究課題/領域番号 |
22K17496
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 征吾 東京医科大学, 医学部, 助教 (10847825)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 医療的ケア / 成人移行支援 / 移行準備性 / 健康関連QOL / 小児看護 / 家族看護 / 在宅ケア / 移行期医療 / 移行支援 / セルフケア |
研究開始時の研究の概要 |
成人期を迎える医療的ケア児が増加しており、成人医療への移行期医療と同時に、医療的セルフケアおよびキャリア形成やメンタルヘルス等も含めた成人型ヘルスケアシステムへの移行支援の重要性が指摘されている。医療的ケア児の場合、医療デバイスの使用に伴う就学や福祉サービス利用上の制限、および知的発達状況の応じた自立支援の必要性といった特有の課題がある。そこで本研究では、医療依存度および知的発達状況の違いによる医療的ケア児の特性を踏まえて、成人型ヘルスケアシステムへの移行準備性に影響する要因を明らかにする。
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研究実績の概要 |
医療的ケア児に対する成人移行支援の実践に焦点を当てたレビューを行い、特に在宅で暮らす医療依存度の高い重症心身障害児に対する成人移行支援の位置づけや、医療面及び福祉面の課題を整理した。結果として、移行支援の基盤としての医療体制整備に加えて、医療的ケア児の自律(自立)支援という大きな課題があることが明確になった。重度の知的障害を合併する在宅重症心身障害児においては、地域における医療福祉面を中心とした社会資源や公的支援以外のサポートを活用して、主介護者である親や施設以外で頼れる人や場所、環境を広げていくことで自立生活に向けた支援に結びつける必要がある。重症心身障害児の移行支援のための視点として、セルフケアの維持向上、長期的な見通し、関わる人と情報の連続性を考慮する必要性も示唆された。また、移行準備性を測る評価ツールが、身体障害を持つ子どもの支援に十分対応していないことも明らかになった。 これらを踏まえて、脳性麻痺児のための疾患特異的な健康関連QOL尺度である、PedsQL Cerebral Palsy Module日本語版の開発を開始した。これは小児のHRQOL尺度として100以上の言語に翻訳され、国際比較が可能なPedsQLの疾患特異モジュールの一つである。まず、原版開発者から承諾を得て、PedsQLの翻訳ガイドラインに従って、小児科医及び小児科看護師からなる翻訳チームで日本語版の作成を行った。順翻訳はPedsQLコアスケールの構成概念および質問項目との一貫性を留意して行った。逆翻訳は、英語を母国語とする英語と日本語のバイリンガルの翻訳者によって行い、原版開発者による原版との同等性の確認を受けた。次いで、医学研究倫理審査委員会の承認を経て、日本語最終版を確定するために、パイロットテストと尺度項目の解釈に関する認知的インタビューを始めた段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
医療的ケア児に対する成人移行支援の実践に焦点を当てたレビューと、小児の健康関連QOLに関する尺度開発で認知的インタビューまで行うステップは、研究課題申請時の研究遂行スケジュールに沿って進めることができている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は当初のスケジュール通り、フィールドテストによって、PedsQL Cerebral Palsy Module日本語版の信頼性と妥当性を検証する。その後、開発した尺度も活用して、医療的ケア児における成人型ヘルスケアシステムへの移行に向けた移行準備性に関連する要因を、知的発達および運動機能の違いを考慮しながら、インタビュー調査と質問紙調査によって探索する。
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