研究課題/領域番号 |
22K17518
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 石川県立看護大学 |
研究代表者 |
大橋 史弥 石川県立看護大学, 看護学部, 講師 (60895861)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 心不全 / 再入院予防 / セルフモニタリング心エコー / 下大静脈 / 遠隔指導 / AR(Augmented Reality) / 心エコー / セルフモニタリング / 遠隔医療 / 在宅療養者 |
研究開始時の研究の概要 |
心機能の悪化兆候を非侵襲的かつ的確に捉える効果的な方法のひとつに、訪問看護師による超音波画像診断装置(以下、心エコーとする)を用いた心機能アセスメントとして、「下大静脈径の描出」が重要視され、導入段階にある。しかし、心不全パンデミックが懸念される本邦で、全ての在宅心不全療養者に訪問看護師が心エコーを実施することは困難であり、未曾有の感染症等で対面での医療・看護ケア行為の実施が不可能な場合も想定される。本研究は、在宅心不全療養者自身がセルフ心エコーを実施し、「セルフ心エコーの導入を基盤とした在宅心不全療養者-看護師-循環器専門医間の遠隔医療システムの構築」に向けた先駆的なモデリングを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究目的は、在宅心不全療養者の再入院予防に向けたセルフモニタリング心エコー(以下、セルフ心エコー)の実施可能性を検証し、その有効性を示すことである。 第一段階として、循環器内科医および心エコーに関する卓越した技術を持つ臨床検査技師のスーパーバイズを受け、体うっ血の指標である下大静脈に着目したセルフ心エコーに関する教育媒体(動画9分34秒)を作成した。健常成人10名全員は、教育媒体を視聴することでセルフ心エコーによる下大静脈の描出が可能であった。一方、計測では下大静脈径を過大評価していた。以上より、医療者が評価・計測が可能な下大静脈の描出であるかに焦点を当てる方針とした。 次に、高齢者版のセルフ心エコープロトコルを作成した。地域在住の非心不全高齢者35名を対象に、セルフ心エコーによる下大静脈描出の実施可能性を検討した。下大静脈描出の成否における判定項目は、右房と下大静脈の連続性、肝静脈と下大静脈の連続性などの4項目を選定した。また、医療者が評価・計測が可能な下大静脈の描出であるかに関する判定項目は、下大静脈の計測部が真っ直ぐに描出される、右房の流入口が描出されるなどの5項目を選定した。結果、対象者全員は、医療者が評価・計測が可能な下大静脈の描出に至った。 在宅で過ごす心不全療養者への遠隔指導方法の検討として、AR(Augmented Reality)技術を援用したエコー走査手技の間接的な誘導法を考案した。健常成人16名を対象に、これらの遠隔指導方法の実施可能性を検討した。結果、対象者全員がAR技術を援用することで、非対面であっても医療者が評価・計測が可能な下大静脈の描出に至った。この研究結果は、在宅心不全療養者へのセルフ心エコー導入時の遠隔支援体制の基盤となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高齢者版のセルフ心エコーによる下大静脈描出プロトコルの開発と実施可能性を検証した。地域在住の非心不全高齢者は、プロトコルに準じたセルフ心エコー走査を行うことで、医療者が評価・計測が可能な下大静脈の描出に至ることが示唆された。また、遠隔指導方法としてAR技術を援用したセルフ心エコーの支援体制の基盤を構築することに至った。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、在宅心不全療養者によるセルフ心エコーの実施可能性と再入院の予防効果を検証する。
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