研究課題/領域番号 |
22K17528
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 藍野大学 |
研究代表者 |
山科 吉弘 藍野大学, 医療保健学部, 教授 (80585456)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 呼吸筋力 / 水中歩行 / 下肢有痛性疾患 / 高齢者 / 水深 / 呼吸機能 / 慢性疼痛 |
研究開始時の研究の概要 |
下肢に慢性的な痛みを有する高齢者は活動量が低下し、四肢の筋力だけではなく呼吸筋力も低下している。水中環境では浮力により関節への負荷が軽減することから下肢に痛みを有していても運動することができる。そこで、本研究では活動量の低下した下肢に慢性的な痛みを有する高齢者の呼吸筋力を増強する水中運動強度の検討およびその長期効果を判定する。
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研究実績の概要 |
2023年度は、股関節あるいは膝関節に痛みのある高齢者を対象に、①水中歩行プログラムの運動負荷量を設定するために、20分間の水中歩行で呼吸筋疲労が生じる負荷を検討、②その負荷において長期効果(8週間の水中歩行プログラム)を実施した。 まず①については、対象者10名(男性3名、女性7名)であり、予測最大心拍数の50%・60%・70%で歩行した結果、60%以上の負荷が必要であることが明確となった。しかし、70%負荷では下肢の筋疲労を訴える対象者も多く、非現実的と考え、60%負荷に設定することとした。 次に②においては、研究の同意を得られた対象者は8名(男性2名、女性6名)であり、水中歩行プログラムを終了できた。水中歩行プログラムは、水深が第4肋間以上で、予測最大心拍数の60%負荷になるように歩行スピードを調節し、20分間の歩行を週に4回かつ8週間継続するものとした。なお、対象者の左手関節部に防水性の脈拍計を装着し、常に脈拍の上昇を確認しながら歩行スピードを調節した。結果は、対象者全員が4週間目の時点でプログラム開始前と比較し、有意な呼吸筋力の増強を認めなかった。8週目の時点では、プログラム開始前と比較し呼吸筋力の有意な増強を認めた。対象者の下肢の筋力、体幹機能はプログラム開始前と比較し4週目、8週目において有意な増加を認め、20分間の水中歩行距離もプログラム開始4週間後と比較し8週間では有意に延長していた。また8週間目には対象者全員の下肢の痛みの軽減を認めた。 現在は対象者数を増やせるようにリクルート活動を実施しながら追加研究中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
対象者の募集において同意を得ることが難しく、十分な対象者が集まっていないことが理由である。現在、研究を終了した対象者数は8名であり、研究中の対象者が4名である(合計12名)。近隣の整形外科クリニックに説明に行くなどして、対象者募集に努力する必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
対象者は下肢に有痛性疾患のある方であるが、現時点において症状の悪化を認めていないため、研究計画の変更はせず、水中歩行が呼吸筋力に与える影響について、長期効果を確認するために、対象者数を増やして実施していきたい。 よって、引き続き「下肢に痛みのある方を対象に8週間の水中歩行プログラムが呼吸筋力に与える影響」について研究を進めていきたい。 ただし、上述のように対象者の同意を得られるように働きかけを実施し、対象者数を増やす努力が必要である。
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