研究課題/領域番号 |
22K17570
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
星合 愛 獨協医科大学, 医学部, 助教 (80810928)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 神経筋電気刺激治療 / 心臓リハビリテーション |
研究開始時の研究の概要 |
増え続ける心肺機能障害患者の廃用予防と機能改善は喫緊の課題である。 心循環機能への影響に伴う忍容性の観点や、意欲低下のために運動が制限される患者にも使用可能な受動的運動療法として神経筋電気刺激治療が注目されている。我々は独自の微小循環評価法を用いて神経筋電気刺激による受動的運動療法の有効性と安全性を実証してきた。 本研究では、循環動態負荷への忍容性が低い心肺機能障害患者において、微小循環を含めた循環動態に影響を与えない神経筋電気刺激による運動負荷は実現可能かを明らかにする。 本研究で心肺機能障害患者に対する廃用重畳予防、身体機能改善、およびそれに伴う介護負担軽減に寄与する成果が得られると期待される。
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研究実績の概要 |
本邦では未曾有の人口超高齢化を背景に、高齢者に多い心肺機能障害患者数は増加しており、リハビリテーションによる肺循環機能の改善ならびに廃用重畳の予防は、介護負担低減に重要と考えられるが、自転車エルゴメーターやトレッドミルなどの一般的な運動療法は、心肺機能障害患者においては心循環機能への影響に伴う忍容性の観点や、併存する意欲低下のために導入が困難な例も多い。研究代表者は積極的な運動が困難な患者に対し、一般的な運動療法を行うまでのブリッジセラピーとして神経筋電気刺激治療を利用し、その有効性と微小循環動態評価に基づく安全性について明らかにしてきた。 本研究では心肺機能障害患者においても神経筋電気刺激治療による安全で有効な受動的運動療法が施行できるとの仮説を立て、微小循環指数評価技術を応用して仮説の検証を行う。 研究初年度の2022年度では運動耐容能の改善を目的とした有酸素運動療法と全身の神経筋電気刺激を組み合わせた場合(治療群)と全身の神経筋電気刺激は組み合わせるが偽刺激を流した場合(Sham群)で運動効果ならびに循環動態への影響に差がでるか否かを検証するための無作為割付による前向き試験を検討している。介入前後で定常負荷の心配運動負荷試験を行い、酸素摂取量立ち上がり時定数(τon)と回復期VO2時定数(τoff)を評価することで、臨床にて多く用いられている多段階負荷の心肺運動負荷試験では評価しきれない点に着目することが可能となった。 今後も2022年度の研究を継続し、心不全患者における神経筋電気刺激治療の有効性について証明していく計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
腹腔内臓器粘膜の微小循環評価に用いられるビデオ顕微鏡を舌下に適応可能とした、本邦唯一のビデオ顕微鏡とそれによるin vivoでの非侵襲的血流評価を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の影響で施行が不能となり、研究プロトコールの見直しが必要となったため、遅れが出ている。
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今後の研究の推進方策 |
当初は外来患者も含めた研究を予定していたが、入院患者を対象としたプロトコールに切り替えることで新型コロナウイルス感染症への安全性を強化することができた。また、全身性神経筋電気刺激治療の介入総時間を30時間から20時間へ変更することで症例数の大幅な確保にもつなげることができた。さらにビデオ顕微鏡での評価を舌下から指尖に変更するなどにより実現可能な研究計画にブラッシュアップできたため、引き続き2022年度の研究をすすめていく。
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