研究課題/領域番号 |
22K17575
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
小川 明宏 東邦大学, 医学部, 非常勤研究生 (80821222)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 動脈弾性能 / CAVI / うっ血性心不全 / SPPB / 地域在住健常者 / バランス機能 / 等尺性収縮運動 / 急性心筋梗塞 / 最高酸素摂取量 / 心不全 / 骨格筋機能 / 心臓足首血管指数 / 心臓リハビリテーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,動脈弾性能の指標として心臓足首血管指数(CAVI),骨格筋機能として近赤外線分光法(NIRS)による骨格筋代謝を評価し、動脈弾性能と骨格筋機能の関連性やRTによる動脈弾性の改善効果を検証する.まず心不全患者や急性心筋梗塞患者の動脈弾性能と酸素摂取量などの身体機能の関連性を検討する(課題①)。更に健常者や心不全患者を対象に大腿四頭筋等尺性収縮運動を実施し、CAVIやNIRSによる骨格筋代謝の即時的変化を検討し、さらに長期的な等尺性収縮運動による改善効果を検討する(課題②③)。これにより心不全患者と健常者の動脈弾性と骨格筋代謝の相違及び運動による改善効果の解明に繋げる。
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研究実績の概要 |
入院中に心臓リハビリテーションを行ない、退院時に心肺運動負荷試験(CPX)を実施できた急性心筋梗塞患者のCardio-Ankle Vascular Index;CAVIとCPXによる最高酸素摂取量の関連性を検討した。その結果、CAVIのカットオフによりCAVI高値群(9≦CAVI)は正常群(7.9≦CAVI)と境界群(8≦CAVI≦8.9)に比べて、最高酸素摂取量は有意にて一を示した。そして心筋梗塞患者の最高酸素摂取量の規定因子としてCAVIが示された。 続いて、入院中に心臓リハビリテーションを行なった65歳以上のうっ血性心不全に対して、退院時のCAVIとShort physical performance vattery;SPPBやその他の臨床指標(運動機能や心機能等)の関連性を横断的に検討した。この結果、SPPBによるサルコペニア判定において、サルコペニア群(SPPB≦9点)は非サルコペニア群(SPPB>9点)に比して有意にCAVI値が高かった。さらにCAVIとSPPBは有意に関連し、中でもSPPBの下位項目タンデム立位によるバランス機能が強い相関を示し、CAVIに寄与する因子の一つであることが示された。これらの結果を関連学会(第5回臨床血管健康研究会)にて発表した。また、これらの結果については、現在論文投稿中である。 またコントロールとなる健常者のデータ収集・動脈弾性能の変化を観察するための測定会を開催した。測定会の対象者は、50歳以上の地域在住健常者および20歳以上の大学生を対象にCAVIや身体機能、体組成、および等尺性収集運動による介入を行なった。これらの結果については、現在学会およびシンポジウムによる発表を準備している段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
心不全患者および急性心筋梗塞患者に対して、退院時に等尺性収縮運動による動脈弾性能CAVIの変化や近赤外線分光法(NIRS)による組織の酸素動態の測定は実施できている。しかしながら、外来心臓リハビリテーションへの参加率が低く、12週間のホームエクササイズによる介入効果までの検討が不十分な状態である。
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今後の研究の推進方策 |
心不全患者および急性心筋梗塞患者に対して、退院時の動脈弾性CAVIや身体機能や等尺性収縮運動による動脈弾性能CAVIの変化や近赤外線分光法(NIRS)による組織の酸素動態の即時的な変化などを引き続き計測し、症例数を増やしていく。さらに自宅での運動指導を継続し12週間のホームエクササイズを実施してもらい、遠隔期での運動効果を検証していく。 現在まで取得できている心疾患患者と健常者の結果を比較検討するための解析を進め、心疾患患者の特性を検証すると同時に、即時的な運動効果については論文の作成を進めていく。また最終的な12週間の等尺性収縮運動による動脈弾性能や組織酸素動態等に対する効果については、学会発表を進めていく。さらには、十分な症例数が確保できれば論文化を目指していく。
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