研究課題/領域番号 |
22K17577
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 名古屋女子大学 |
研究代表者 |
玉木 徹 名古屋女子大学, 医療科学部, 講師 (30712814)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 糖尿病 / 運動療法 / 末梢神経障害 / 末梢神経損傷 |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病は末梢神経損傷を重症化させることが指摘されている。神経再生を促す有力な手段の一つとして運動療法があるが、糖尿病が合併している場合の効果は不明な点も多い。また性別や運動強度により効果が異なることも予想される。そこで、本研究は性別の異なる糖尿病モデルラットにインターバル運動と有酸素運動を実施し、神経再生効果を生理学的手法、形態学的手法を用い比較することで、性別を加味した運動療法の発展につなげることを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究は、末梢神経挫滅処理を行なった、性別の異なる糖尿病モデルラットにインターバル運動と有酸素運動を実施し、糖尿病と末梢神経損傷を併発した場合の運動療法の効果を性差を含め検討するものである。 本年度は、雄の健常ラット、糖尿病モデルラットを対象に神経挫滅後の運動療法の効果を、通常飼育群、有酸素運動群、インターバル運動群の3群に群わけし検討した。健常ラットでは、通常飼育群、有酸素運動群、インターバル運動群の順に誘発筋電位の振幅の回復が大きかった。また、逆行性標識された運動ニューロンの細胞体の数は通常飼育群に比べ有酸素運動群で増加したが、インターバルトレーニング群と有酸素運動群では細胞体数に差は認められなかった。筋湿重量はインターバル運動群のみで増加した。 一方、糖尿病モデルラットでは通常飼育群に比べ有酸素運動群で誘発筋電位の振幅の回復が大きかったが、インターバルトレーニング群と有酸素運動群では差が認められなかった。逆行性標識された運動ニューロンの細胞体の数は健常ラットと同様に、通常飼育群に比べ有酸素運動群で増加したが、インターバルトレーニング群と有酸素運動群では細胞体数に差は認められなかった。筋湿重量は3群間で差は認められなかった。有酸素運動での誘発筋電位の回復は運動ニューロンの細胞体数増加が伴っているため、末梢神経の回復が関与している可能性が考えられる。一方で健常群のインターバル運動群で観察された誘発筋電位の回復には筋湿重量の増加が伴っているため、運動による筋肥大の影響が考えられる。しかし、現段階では、まだn数が不足しているため継続して検討していくとともに、組織学的な解析を行なっていく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
所属施設が変わり、実験環境を整えるために時間を要し、ラットの飼育開始時期が遅れた。雄性ラットの通常飼育群、有酸素運動群、レジスタンストレーニング群の誘発筋電位の測定などの生理学的データは、まだn数は不足しているが概ね取得できている。現段階で性差の比較をすることは困難であるが、糖尿病ラットは健常ラットに比べ、末梢神経挫滅後の回復が障害され、運動療法の効果も小さい可能性を示唆する結果が得られている。一方で運動ニューロンや筋の組織学的な解析を行うための準備に時間を要し、組織学的な解析に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
来年度からは末梢神経挫滅処理を行なった雌性の健常ラット、糖尿病ラットを対象に解析を進める。まずは、通常飼育群、有酸素運動群、レジスタンストレーニング群のうち、通常飼育群の誘発筋電位の回復度合いを調査する予定である。また、組織学的な解析を実施するための環境を整え、遅れが生じている運動ニューロンや筋の組織学的な解析を進める。
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