• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

運動療法と栄養療法の相乗効果による重症大動脈弁狭窄症患者の予後改善への挑戦

研究課題

研究課題/領域番号 22K17588
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分59010:リハビリテーション科学関連
研究機関長崎大学

研究代表者

矢野 雄大  長崎大学, 病院(医学系), 技術職員 (10771389)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
キーワード重症大動脈弁狭窄症 / TAVI / フレイル / 栄養 / 術前リハビリテーション / 低負荷運動療法 / 栄養状態 / 大動脈弁狭窄症 / リハビリテーション / 運動療法 / 栄養療法 / 経カテーテル大動脈弁置換術
研究開始時の研究の概要

本研究では TAVI 前の重症大動脈弁狭窄症患者を対象に低負荷運動療法が安全に実施可能であるかを, 自覚症状および他覚症状の有無や有害事象の発生などから調査する.また,その検討の結果を受け,本研究の主な検討として,低負荷運動療法と栄養補助食品の併用効果について, プライマリアウトカムを骨格筋量に設定し,術前後の身体機能や精神面の変化,術後の歩行自立までの日数や転帰など短期的予後に関する指標なども含め多面的に検証する.

研究実績の概要

当該年度については、後方視的な検討を2つの側面から実施した。1点目は重症ASに対して、術前から運動療法を実施することにおいて、低栄養の有無によって効果に影響が出るかを検証した。両群間では栄養状態に加え、炎症のデータ、心不全の重症度を示すデータなどで低栄養群で有意に高値であった。これら背景因子に差がある条件下ではあるが、どちらの群においてもフレイルの指標に用いられるShort Physical Performance Battery(SPPB)の下位項目において有意な改善の効果があったことが確認された。両群間でSPPBの数値が維持・改善した者の割合についても両群間で有意差を認めず、術前の栄養状態を問わず、ASに対する術前からの運動療法が効果的であることが示唆された。また両群ともにリハビリテーションの中止に至るレベルの有害事象を認めずに安全に実施可能であることが示唆され、その安全性についても確認された。
2点目の検討では、重症AS患者を術前フレイルの有無で術前からの運動療法の効果を検証した。非フレイル群では術前後で身体機能が維持された一方で、フレイル群ではSPPBの合計点および下位項目で有意な改善が認められた。さらに、入院関連機能障害(HAD)の発生率についても、有意差は認めないものの、非フレイル群で29%、フレイル群で17%とフレイル群で機能障害の発生率を抑制された可能性が示唆された。しかし、転帰については非フレイル群で自宅退院率が有意に低値にとどまっていたことから、栄養療法による改善効果の上乗せが期待されるところであることが再認識された。
どちらの検討も学会報告を行い、後者については関連学会において最優秀演題賞を獲得した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当該年度には術前運動療法と栄養療法の併用の効果検証のための介入研究を開始予定としていたが、まだその段階に至っていないため、進捗状況としては当該区分となった。

今後の研究の推進方策

術前運動療法および栄養療法についての介入研究の開始へ進めていくため、倫理委員会への申請など上半期で準備を進めていき、申請が許可され次第、データ収集へと速やかに移行していく。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] 心・腎機能障害が併存した症例に対する理学療法 ; 心疾患を契機としたケース - 急性期の理学療法で効果を出すために必要なこと -2022

    • 著者名/発表者名
      矢野雄大
    • 雑誌名

      理学療法探求

      巻: 25 ページ: 17-20

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] ドブタミン注射薬の持続投与を継続したまま在宅医療へ移行した終末期心不全の1例2022

    • 著者名/発表者名
      赤松隼人, 江藤良, 黒部昌也, 山口ゆかり, 馬場妙子, 桑原薫, 矢野雄大, 井川幸子, 中野国枝, 中川博雄, 兒玉幸修
    • 雑誌名

      日本病院薬剤師会雑誌

      巻: 58(1) ページ: 67-72

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] TAVI前後の理学療法介入が身体機能の推移に及ぼす影響の検証 -栄養状態別の検討も含めて-2023

    • 著者名/発表者名
      矢野雄大, 田中康友, 渡辺翼, 黒部昌也, 本川哲史, 米倉剛, 前村浩二, 神津玲
    • 学会等名
      日本呼吸・循環器合同理学療法学会学術大会2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] TAVI前からの理学療法がフレイルを有するAS患者のTAVI前後の身体機能の変化にどう影響するか?2023

    • 著者名/発表者名
      矢野雄大, 田中康友, 渡部翼, 藤原優大, 黒部昌也, 本川哲史, 河野浩章, 前村浩二, 神津玲
    • 学会等名
      第9回日本心臓リハビリテーション学会九州支部地方会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 経カテーテル的大動脈弁留置術と術前からの理学療法により運動耐容能が改善した高齢大動脈弁狭窄症の1例2023

    • 著者名/発表者名
      田中康友, 矢野雄大, 渡部翼, 高畠英昭, 前村浩二, 田中貴子, 神津 玲
    • 学会等名
      日本呼吸・循環器合同理学療法学会学術大会2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ICU獲得性筋力低下を生じた重症患者における運動機能の改善に難渋する症例の特徴2023

    • 著者名/発表者名
      名倉弘樹, 及川真人, 花田匡利, 矢野雄大,,田中康友, 渡部翼, 竹内里奈 高畠英昭, 関野元裕, 神津玲
    • 学会等名
      第50回日本集中治療医学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Impella挿入中に多職種協働下で離床を実施し,合併症を予防できた重症心不全の 1 例2022

    • 著者名/発表者名
      田中 康友, 矢野 雄大, 渡部 翼, 酒井 和香, 下田 峻椰, 渡邉潤平, 関野元裕, 前村浩二 , 神津玲
    • 学会等名
      第28回心臓リハビリテーション学会学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi