研究課題/領域番号 |
22K17603
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
福島 卓矢 関西医科大学, リハビリテーション学部, 助教 (50779535)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | がん悪液質 / 運動療法 / 栄養療法 / 身体活動量 / アナモレリン塩酸塩 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,第一段階としてがん悪液質に特異的な身体・精神症状を質的評価にて抽出し,量的評価と組み合わせることで新たなリハビリテーションのエンドポイントの確立を目指す.第二段階として,がん悪液質に効果のある新規薬剤のアナモレリン塩酸塩を用いた薬物療法,悪液質の成因である炎症の抑制と筋タンパク合成の促進効果を有するHMBを用いた栄養療法,運動療法から構成される集学的介入を開発する.そして,第一段階で確立したエンドポイントを指標に,ランダム化比較試験を用いて集学的介入の効果を検証する.
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研究実績の概要 |
2023年度は,量的評価を用いたデータ収集に主眼を置いて検討を進めた.具体的には,筋・身体機能(握力,膝伸展筋力,Short Physical Performance Battery,バランス検査,6分間歩行試験),身体活動量(International Physical Activity Questionnaire-Short Form),栄養状態(Mini Nutritional Assessment-Short Form)を評価し,がん悪液質に特異的なエンドポイント開発に向けた基礎データの確立を目指した.がん悪液質の要因として身体活動量の関与が着目されており,本課題の集学的介入の構成要素の一つである運動療法とも関連することから,この点に焦点を当てた検討を進めた.具体的には,進行・再発肺がん患者50名を対象に,IPAQ-SFの四分位を用いてLow群とHigh群の2群に振り分けたところ,身体活動量は生存日数と有意な関連を認め,年齢,病理(小細胞,非小細胞),治療ライン(3次治療以降,1-2次治療),病勢(PD,その他)といった交絡因子で調整後も独立した有意な因子であった.さらに身体活動量には栄養状態の低下が関連していた.つまり,悪液質を呈しやすい肺がん患者においては,身体活動量を考慮した運動療法プログラムを立案し,栄養療法にも着眼することの重要性が示唆された.この成果については,現在論文投稿中であり,本課題の今後の展開に寄与できると考えている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度はがん悪液質の新たなリハビリテーションのエンドポイント確立を目指す予定とし,量的評価を主体に検討を進めたものの,その確立には至っていない現状にある.そのため、介入研究への着手も出来ていない現状にある.
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今後の研究の推進方策 |
2024年度はがん悪液質のエンドポイント確立を進めるとともに,介入研究に着手する予定である.介入研究への進展が難しかった際の代替策として,臨床的にアナモレリン塩酸塩を用いた薬物療法,栄養療法,運動療法を実施した症例を抽出し,効果検証を行う予定としている.
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