研究課題/領域番号 |
22K17613
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
濱地 望 国際医療福祉大学, 福岡保健医療学部, 助教 (10807978)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 運動性血圧変動 / 運動処方 / 心不全 / 運動耐用能 / 身体的フレイル / 心肺運動負荷試験 / 高血圧 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,高血圧に伴う左室収縮力が保たれた心不全(HFpEF)患者が急増している。高齢心不全患者は,肺うっ血症状による呼吸困難や身体的フレイルを呈し,従来の最高酸素摂取量を用いた運動処方では対応できない場合がある。そこで,運動性血圧変動に着目し,心不全急性増悪の要因となる左房圧の上昇を予防した新たな運動強度の設定法を開発する。
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研究実績の概要 |
本研究では,左室駆出率が保たれた心不全(HFpEF)患者の最高酸素摂取量(peak VO2 )を低下させる因子を運動性血圧変動および身体的フレイルの両側面より調査し,心肺運動負荷試験が実施できない高齢心不全患者に対して安全な運動療法を提供するために,新たな至適運動強度を検証することを目的としている。 2022年度は,被検者リクルートメント体制の調整,健常者でのプレ測定,地域在住高齢者における身体組成,血管機能,身体機能などの調査を行い学会にて報告した。 本研究で実施する心肺運動負荷試験は,飛沫の発生によりCOVID-19のエアロゾル感染の可能性が懸念されることから,感染予防対策上,サージカルマスクを着用した状態での検査を実施する可能性も否めない状況であった。そのため,男子大学生におけるサージカルマスク着用による走行が心肺機能に及ぼす影響を調査した。その結果,サージカルマスク着用下での走行は,特に肺機能に影響を及ぼし,下肢の疲労感を高め,運動パフォーマンスを低下させることが明らかとなった。しかしながら,被検者が心不全患者であれば,酸素消費量増大に対して心機能による代償機構が働かずpeak VO2にも影響を及ぼすことが予測されるため,サージカルマスク着用時には異なる運動プロトロールを検討する必要性が示された。 また,研究手順の確認を行うために男子大学生を対象とし,peak VO2と運動性血圧変動の関連を調査した。運動時の血行動態は,連続血圧・血行動態測定装置(Finapres社,FINOMETER MIDI)を用いて測定し,連続血圧に加えて全末梢血管抵抗値や心拍出量などを測定しており,現在解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年度は高齢心不全患者での測定を開始する予定であったが,COVID-19の影響により,院内感染対策が強化され心肺運動負荷試験の制限により当初予定していた対象者でのデータ測定が実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は,下記4点を進めていく。 1)昨年度,プレ測定として実施した男子大学生の心肺運動負荷試験時のpeak VO2と運動性血圧変動の分析を行い,その関係性を明らかにする。結果がまとまり次第,関連学会での発表や国際誌への論文投稿を行い,成果報告を行う。 2)プレ測定で使用した連続血圧・血行動態測定機器では,十分な測定記録が得られない項目が認められたため,その他の連続血圧・血行動態測定機器の購入を検討する。 3)心不全患者に対して被検者募集を行い,研究実施体制を整える。 4)心不全患者を対象に心肺運動負荷試験時の血行動態の測定および身体的フレイルを測定する。測定後は,①心不全患者の予後に関連するpeak VO2 が低下している原因の検討,②運動時の血圧や運動前後の血圧変動値から本研究対象者の運動時血行動態の特徴を明らかにする,この2点から検証を進めていく。
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