研究課題/領域番号 |
22K17622
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 森ノ宮医療大学 |
研究代表者 |
宮下 敏紀 森ノ宮医療大学, インクルーシブ医科学研究所, 研究員 (90925801)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 歩行分析 / 歩行障害 / 慣性センサー / 高齢者 / 同時収縮 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者の歩行障害の原因の1つに、下肢筋の同時収縮時間の延長、いわゆる動作を阻害させる筋肉の過剰な働きがある。高齢者の歩行障害に対して、予防方法を確立するには、可能な限り日常環境で簡便に歩行を定量的に評価することが重要であると考えた。そこで、我々は操作が簡単で、かつ小型の慣性センサーによる歩行評価に注目した。我々が注目する下腿筋の同時収縮時間の計測が可能となれば、歩行障害の原因の解析として、その解釈に新たな知見を加えることが可能となる。さらに、歩行障害の原因分析が可能となれば、適切な運動処方によって歩行障害の予防または改善により、健康寿命の延伸につながると考える。
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研究実績の概要 |
健康寿命の延伸のため、歩行障害の予防は重要である。特に高齢者の歩行能力低下の原因の1つである下肢筋の拮抗筋との同時収縮の延長は予防すべき障害である。近年、慣性センサーを用いた研究が行われ、簡便に歩行速度や歩幅といった距離・時間因子の解析が可能となった。しかし、慣性センサーのみで筋活動を推定した方法は報告されていない。そこで慣性センサーによる歩行解析により、歩行中の下肢筋の同時収縮を反映できるかという学術的な疑問が生じる。本研究では歩行障害の予備軍を日常環境で、かつ簡便に発見するために、同時収縮時間の延長を反映する慣性センサーによる歩行解析手法を開発する。 2023年度の調査対象は歩行自立し、歩行中に症状のない整形外科クリニック患者30名とした。下腿腓頭に装着した慣性センサーの加速度波形から加速度を微分したjerkを算出、表面筋電図を用い、下肢の4部位(①下腿部:前脛骨筋と外側腓腹筋、②大腿部:外側広筋と大腿二頭筋、③大腿下腿部:外側広筋と外側腓腹筋、④大腿下腿部:大腿二頭筋と前脛骨筋)の共同収縮値を計算した。共同収縮値は先行研究の数式を用いて、co-contraction(CCI)を算出した。算出された下腿部jerkとCCIは歩行周期より立脚期を立脚期前半、立脚期後半、立脚期全体の3つに分類し、それぞれで歩行中の下腿jerkとCCIの関係性を調査した。我々は先行研究の報告を基にサンプルサイズの計算を行い、本研究の対象者は29名と算出された。 結果、前遊脚期のjerkと立脚期全体の外側広筋と外側腓腹筋のCCIとの間に有意な正の相関関係(r=0.39, p<0.05)を認めた。 本研究の結果より、下腿に慣性センサーを貼付することで、歩行中の下肢筋の同時収縮を推定できる可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
データ計測を行うにあたり、取り込み基準に対応した対象者が少なく、データ計測が順調に行えない時期が生じたことが遅れの要因と考える。
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今後の研究の推進方策 |
目標とするサンプルサイズは達成することが出来た。引き続き対象者特性について偏りのないようデータ計測を継続する。また2024年度に関しては収集したデータを基に学会発表、さらには論文化を進めていく。
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