研究課題/領域番号 |
22K17637
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 高崎健康福祉大学 |
研究代表者 |
冨田 洋介 高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (10803158)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 脳卒中 / 運動制御 / 立位 / リーチ / 姿勢制御 / 協調性 / リハビリテーション |
研究開始時の研究の概要 |
上肢運動機能障害は約70%の脳卒中患者で生じる。また上肢リーチ動作の遂行には、高度な多関節協調性が求められる。上肢運動機能障害が軽度な脳卒中患者でもリーチ動作中の多関節協調性が低下するとの報告がある一方で、先行研究の多くでは姿勢が安定した座位リーチが行われている。したがって、高度な姿勢制御が求められる立位リーチ動作における多関節協調性の脳卒中後回復過程は明らかではない。また立位リーチ中の多関節協調性に対する姿勢不安定や二重課題による影響も明らかではない。したがって本研究では、多関節協調性の「脳卒中後の回復過程・関連要因およびメカニズム」を明らかにすることを目的とする。
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研究実績の概要 |
脳卒中患者18名、健常高齢者13名での測定を完了した。カメラ台数の制約から、48個のマーカーを用いたフルボディのUCM解析は実施することができなかった。得られたデータの解析は順調に進んでおり、脳卒中患者の立位リーチにおいて、予測的姿勢調節の変調が観察された。特に脳卒中患者の予測的姿勢調節の変調は、リーチ開始前の足圧中心の移動距離および速度が低下によって特徴づけられていた。脳卒中患者では予測的姿勢調節の低下によって、リーチ終了時間が遅延しており、オーバーシュートエラーが多く生じていた。慣性の異なる多くの身体体節が総動員される立位リーチにおいては、リーチ開始前に予測的姿勢調節が適切に作用することでリーチ精度が保たれる一方で、脳卒中患者において予測的姿勢調節の低下は、リーチの正確さを示す指標に関連していることが明らかとなった。このことから、脳卒中患者が抱える立位リーチの困難さには予測的姿勢調節の変調も関連している可能性が示唆された。課題としては、48個のマーカーを用いて多関節協調性の解析手法であるUCM解析を臨床場面で実施することは現状のリソースでは困難であるケースが多々あったことである。リーチ動作における多関節協調性の測定手法を今後検討する必要がある。 当該年度中に、本研究の結果が査読付き原著論文として国際誌Neurorehabilitation and Neural Repairに掲載された。また本研究の結果に関連した内容を国内雑誌3編に総説が掲載された。また本研究に関連する内容を国内学会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
脳卒中患者18名、健常高齢者13名での測定を完了し、解析も順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
得られたデータの解析を進めるとともに、UCM解析に代替する多関節協調性の指標を開発するための予備実験を継続する。
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