研究課題/領域番号 |
22K17641
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
|
研究機関 | 長野保健医療大学 |
研究代表者 |
荻原 啓文 長野保健医療大学, 保健科学部, 助教 (40821674)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | めまい / 前庭 / 歩行 / 転倒 |
研究開始時の研究の概要 |
めまい平衡障害患者は多くの転倒危険因子を有し,転倒率は健常成人の約12倍と報告されている。転倒予防に向けた前庭症状や歩行・バランス能力の解明は重要な課題である。しかし,これまでの研究は前庭器官への刺激検査や立位の平衡検査など静的な評価にとどまっており,動的な前庭機能(体動時の視覚のぼやけ・めまい)や歩行動揺性(ふらつき)を十分に検討できていなかった。本研究では,vHIT検査や加速度センサ等の最新の機器と評価を用いて①動的な前庭機能と歩行動揺性を定量化する,②歩行動揺性に影響を及ぼす前庭機能を解明する,③転倒を予測する指標を動的な前庭機能や歩行動揺性から解明する。
|
研究実績の概要 |
高齢者における転倒は,施設入所や死亡と強く関連し,その予防は重大な課題である。めまい平衡障害患者は多くの転倒危険因子を有し,転倒率は健常成人の約12倍と報告されている。転倒予防に向けた前庭症状や歩行・バランス能力の解明は重要な課題である。しかし,これまでの研究は前庭器官への刺激検査や立位の平衡検査など静的な評価にとどまっており,動的な前庭機能(体動時の視覚のぼやけ・めまい)や歩行動揺性(ふらつき)を十分に検討できていなかった。本研究では,①動的な前庭機能と歩行動揺性を定量化する,②歩行動揺性に影響を及ぼす前庭機能を解明する,③転倒を予測する指標を動的な前庭機能や歩行動揺性から解明することを目的としている。 歩行動揺性に関して,先行研究のレビューから歩行指標を選定し,予備的なデータ測定を開始した。腰部加速度データから垂直(VT),水平(ML),前後(AP)方向の二乗平均平方根比率(RMSR)を算出することで歩行動揺性を定量化した。今後は歩行動揺性指標を用いて前庭障害患者と比較対象となる地域在住高齢者の歩行測定を進めていく。 めまい平衡障害の臨床指標から歩行や姿勢制御の特徴を調査した。めまい平衡障害患者の閉眼時の立位姿勢制御能力に歩行能力(Dynamic Gait Index)と前庭機能(Dynamic Visual Acuity)が関連することが明らかになった。今後はより詳細な前庭機能評価や歩行動揺性のデータ測定を開始して,地域在住高齢者との比較,めまい平衡障害患者の歩行動揺性に関連する要因を調査していく。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度はめまい平衡障害患者の疾患特有な歩容を表す歩行指標の考案と有用性の検証のために先行研究をレビューし歩行指標を選定し予備的なデータ測定を開始した。歩行動揺性は加速度計を用いて測定・解析が可能なところまで進展した。また,めまい平衡障害患者の臨床指標は日々の臨床業務からデータが蓄積されている。今後は詳細な前庭機能検査や歩行動揺性も含めてデータ測定を開始する予定である。予備的な段階はおおむね完了しており研究の準備は整っている状況である。よって,おおむね順調に進展していると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度は,共同研究施設でめまい平衡障害患者のデータ測定を行う。比較対象となる地域在住高齢者の測定については,申請者の所属施設で行う健康増進事業に参加している高齢者を対象に実施する予定である。めまい平衡障害患者の測定では,目標とするサンプル数を確保していくことが難しい可能性がある。状況によってはデータ測定期間を延長する必要がある。地域在住高齢者の測定は毎年健康増進事業が実施されているため,計画通り進むことを想定している。
|