研究課題/領域番号 |
22K17642
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
藤村 健太 藤田医科大学, 保健衛生学部, 講師 (50780623)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 浮腫 / 末梢磁気刺激 / 脳卒中 / 片麻痺 / 末梢神経磁気刺激 / Neuromodulation |
研究開始時の研究の概要 |
脳卒中後に頻発する手の浮腫は、弛緩性麻痺による関節の不動や筋活動低下による筋ポンプ作用の機能不全によって発生し、運動機能の改善や日常生活活動を阻害する重篤な問題である。従来の浮腫に対する介入は対症療法が中心であり、ガイドライン等でも標準的治療が確立されていない状況にある。本研究では、疼痛が発生しにくく、深層まで刺激が可能というメリットをもつ末梢神経磁気刺激を用いた浮腫への治療効果をランダム化比較試験にて検証する。手の浮腫治療に磁気刺激を用いた報告は国内外にもなく、その有効性が示されれば臨床における新たな治療手段の確立に繋がり、これまで以上のリハビリテーション効果を患者にもたらす可能性がある。
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研究実績の概要 |
脳卒中片麻痺患者の手や指に頻発する浮腫は、主に運動麻痺による関節の不動や筋ポンプ作用の機能不全によって発生する。浮腫の存在は関節拘縮等の二次的な障害を引き起こすことが知られており、日常生活活動や機能予後に悪影響を与える大きな要因となる。そのため、運動麻痺を呈した発症後早期から浮腫を管理し、改善に向けて介入することが重要である。 従来の浮腫に対する介入はマッサージや圧迫等の対症療法が中心であった。また電気刺激を用いた治療が報告されているが、刺激時に疼痛を伴いやすいことや皮下にある浮腫の存在によって体表から筋に刺激が伝わりにくいこと等の問題により実用性が低かった。そのため、ガイドラインでも手の浮腫に対する標準的治療は確立されていない現状にあった。 そこで末梢磁気刺激を用いて、手の麻痺筋を刺激する新しい治療法を考案した。末梢磁気刺激は電気刺激と同様の機序で筋を刺激するが、電磁誘導によって筋収縮を誘発する特性から、刺激時の疼痛が発生しにくく、電気刺激よりも深部の筋まで刺激可能である。本研究では末梢磁気刺激による浮腫軽減への効果をランダム化比較試験にて検証する。そして、手の麻痺性浮腫に対する新たな治療法を確立することが本研究の目的である。 2022年度はこれまでの予備的検討の結果をまとめ、本ランダム化比較試験における必要症例数を検討した。また、本研究の開始に向けた臨床研究審査委員会への申請や多施設共同研究として実施するために各施設における必要備品等の準備や打ち合わせを行なった。 2023年度は本研究のエントリーを開始し、対象者への介入および評価を行い、データを採取した。対象は麻痺手に運動麻痺に起因する左右差のある浮腫を認める脳卒中患者26名であり、2023年度は16名のデータ採取が完了した。次年度も引き続き本試験を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究における必要症例数を含めた試験プロトコルが確定し、2023年度からエントリーを開始した。2023年度終了時点で目標症例数26名のうち、16名のデータ採取が完了し、2024年度は10名のデータを採取予定である。以上より、本研究課題はおおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題である多施設でのランダム化比較試験を継続し、引き続き、データ採取を進める。また試験の状況に合わせて、データ解析の段階へ進める予定である。
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