研究課題/領域番号 |
22K17645
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
|
研究機関 | 森ノ宮医療大学 |
研究代表者 |
堤 真大 森ノ宮医療大学, インクルーシブ医科学研究所, 講師 (10821853)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 股関節前面痛 / FADIR test / 小殿筋 / 股関節包 / 疎性結合組織 / FABERテスト / 関節包 / 股関節痛 / 運動療法 / 解剖学 |
研究開始時の研究の概要 |
股関節痛治療は健康寿命の延伸に必須であり、パフォーマンス向上の観点からスポーツ医学の課題でもある。痛みの原因は、関節内病変を中心に考えられてきたが、関節外への治療でも痛みが改善される場合がある。関節外病変の多くは、患者負担の少ない保存療法によって改善が見込まれ、その適切な評価・治療手法が確立されれば、股関節痛治療の革新を生む。本研究では、関節外病変の主因は、股関節包前面に存在する疎性結合組織の性状変化に由来するのかという問いを基に、その疎性結合組織の解剖学的特徴を明らかにする。肉眼解剖・組織学的解析に生体画像解析(エコー・MRI)を組み合わせた多面的解析により、臨床応用可能な評価法を提言する。
|
研究実績の概要 |
2023年度は、関節包前面における疎性結合組織の動態を、股関節前面痛ありの被験者と健常者で比較しBMC Musculoskeletal Disordersに受理された(Tsutsumi et al., 2024 BMC Musculoskeletal Disorders)。臥位で股関節屈曲位の状態から内転・内旋させるFADIRテストは、広く普及した股関節痛評価法の一つとされる。FADIRテストで股関節痛を再現できる場合(=FADIR陽性)には、関節内病変(関節唇の損傷など)の存在が疑われるが、FADIR陽性となっても関節内に問題がみつからないことは少ない。我々の研究グループでは、股関節前面痛症例で変性を起こすことが報告されている疎性結合組織が、関節包前面で大腿直筋深層・腸腰筋外側・小殿筋内側の空間に広がっていることを明らかにし(Tsutsumi et al., 2021 Scientific Reports)、この疎性結合組織の形が健常例では関節肢位に応じて形が変化することを明らかにしてきた(Tsutsumi et al., 2022 Scientific Reports)。そこで、問題の疎性結合組織がFADIR陽性の疼痛に関与する可能性を検討することを本年度の目的とした。股関節を屈曲位の状態から、徐々に内旋させると、FADIR陽性となる人は、関節包に対する小殿筋の動きが悪いことがエコーで確認された。また、股関節屈曲・内旋位の状態でMRIを撮像すると、FADIR陽性となる人では小殿筋-関節包前面の間で、問題の疎性結合組織の領域が狭いことがわかった。今後は、関節包に対する小殿筋の動きを改善することでFADIR陽性の痛みが改善されるのか検討していくとともに、FADIR陽性となった場合に「関節外」の関節包前面の疎性結合組織に着目した評価を行う必要性が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り2023年度に予定していた、疎性結合組織の動態についてのMRI研究を行うことができ、論文が受理された(BMC Musculoskeletal Disorders)。
|
今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り、関節包周囲筋間の滑走性に関する解析をすすめる予定である。
|