研究課題/領域番号 |
22K17649
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
井原 拓哉 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, ジョイントリサーチ講座助教 (90908617)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 点群 / 肩甲骨運動 / 深度センサ / 肩甲上腕リズム / 肩甲骨角度 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,深度センサを用いて肩関節の運動中の肩甲骨運動を検出し,肩甲上腕リズムを安全・正確・簡便に定量化するシステムを確立すること,および本システムを用いて,腱板断裂の予後に関連するとされている肩甲上腕リズムを腱板断裂患者で定量化し,共通する異常な運動パターンを同定することである.特に断裂部位や断裂形態,痛みの有無・強度などで細分化し,共通した運動パターンの検出を目指す.
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研究実績の概要 |
2023年度は、妥当性向上のために産業用の深度センサを用いて肩甲骨角度の推定精度を検証した。具体的には肩甲骨内側縁または肩甲棘の隆起を指標に、点群の座標情報からの同部位の抽出を試みた。特に従来、点群からマルチスケールに物体の特徴量を抽出する手法として用いられてきたClassified Difference of Centers of Gravity(CDoCoG)などをを利用することで、肩甲棘または内側縁の位置を良好に追跡できる可能性があることが明らかとなった。またセンサから得られる深度画像に対して、近年発展してきたヒトの姿勢推定を行うAIを用いることで、振動画像上からKeyPointを抽出し、該当部位の点群を絞り込むことで追跡部位の特定のための初期スクリーニングとして活用できることが分かった。これらの解析アルゴリズムの検討を行うことに加え、撮影条件も検討した。特に座位よりも立位での計測にて肩甲骨の骨隆起が検知しやすいことがわかった。
2024年度は、2023年度に可能性を見出したCDoCoGを中心とした上記の手法を用いて、上肢の挙上や外転、結帯動作を深度カメラで撮影したデータセットを作成し、妥当性および信頼性の検証を行うことを第1に行う。妥当性の検証のために光学式動作解析システムを用いることで従来のGolden Standardとの比較を行う。その結果を検討することで、当初の目標であるスキンアーチファクトを克服することが出来るかを検証する予定である。さらに、良好な信頼性・妥当性の確認が出来たら、肩関節の有症状者を対象に取り込み、詳細な肩甲骨運動と上腕骨運動、およびこれらの比で構成される肩甲上腕リズムの特徴検出のために研究を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初、下垂時の肩甲骨位置の追跡が良好に行えることは確認していたが、動的な環境下では、筋の膨隆や体幹自体の動揺の為、当初予定していた手法では肩甲骨運動を正確に追跡できていないことが明らかとなった。そのため機材の変更及び解析アルゴリズムの変更を行ったため、時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
産業用深度センサを用いることで取得する点群精度及び空間解像度の向上を図る。また従来特徴量抽出に用いられてきた解析手法を応用することに加え、姿勢推定AIを深度画像に対して用い、計測条件も限定することで精度の高い安定した追跡手法の確立を図る。さらに光学式動作解析システムとの比較を行い、妥当性を検討するとともにスキンアーチファクトの克服が可能であるか検証する予定である。上記を達成の後、肩関節の有症状者を対象に含め研究を進めていく。
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