研究課題/領域番号 |
22K17653
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
榊 善成 札幌医科大学, 保健医療学部, 訪問研究員 (50554549)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 腱板断裂 / 肩関節周囲筋 / 筋活動 |
研究開始時の研究の概要 |
腱板断裂症例に対するリハビリテーションでは、腱板の構造的破綻の状態を把握するとともに、肩関節周囲筋の筋機能不全を適切に評価し治療することが必要である。 申請者は棘上筋の活動張力を線維別に評価することに着目し、腱板断裂および修復術後症例において、棘上筋前方線維浅層部の評価・治療が重要であることを証明した。 本研究は、上記の成果を発展させ、腱板断裂および腱板修復術後症例を対象に、腱板断裂の重症度が肩関節周囲筋の活動特性および肩関節動態に及ぼす影響を調査する。さらに、腱板修復術後において肩関節周囲筋の筋活動および肩関節動態の経時的な変化を検証することを目的とする。
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研究実績の概要 |
本年度は、腱板断裂の重症度に関連する肩関節周囲筋の筋活動および肩関節動態変化の解明に向けて、整形外科病院で初回腱板断裂と診断された60例の男性症例を対象に、肩関節挙上・下制運動における肩関節周囲筋の筋活動を評価した。運動課題は、肩関節下垂位から肩甲骨面120°外転運動と、肩甲骨面120°外転位からの肩甲骨面120°内転運動とした。運動課題は、床に対して垂直に設置したアルミニウム製の棒に沿って行った。運動課題の角速度は30°/秒とし、角速度は電子メトロノームの音に合わせて保持した。運動課題は3回行った。棘下筋、三角筋前部線維、三角筋中部線維、僧帽筋上部線維、僧帽筋中部線維、僧帽筋下部線維、前鋸筋は、筋電位測定器 (TeleMyo 2400 G2 Telemetry System,Noraxon社) を用いて筋活動を測定した。肩関節角度の測定は、エレクトロゴニオメータ (Electrogoniometer,Noraxon社) を用いた。 統計学的解析には、測定側要因 (健側、患側)、挙上角度相要因 (0°-30°、30°-60°、60°-90°、90°-120°)の二元配置分散分析を実施した。要因の主効果が有意である場合、その後の検定としてBonferroniの方法で多重比較検定を行った。患側の各筋活動量と腱板断裂の重症度 (Tangent sign、Goutallier分類、断裂サイズ) との関連を明らかにするために、患側の各筋活動量を目的変数、腱板断裂の重症度の各アウトカムを説明変数とした回帰分析を実施した。いずれも有意水準は5%とした。 その結果、腱板断裂により三角筋前部・中部線維と棘下筋が健側と異なる活動を示すことが明らかになった。さらに、断裂サイズの重症度が棘下筋の筋活動に影響力を持つことが示された。 したがって、三角筋前部・中部線維と棘下筋の機能改善が、リハビリテーションにおいて重要である可能性がある。また、断裂サイズの重症度に応じて機能的予後を推定できる可能性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
被験者数は未だ十分ではないものの、順調に進んでいる。研究結果の一部は今年度国内学会にて発表予定である。腱板断裂症例の計測は今後も予定されており、データ計測・解析を進めていく計画である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、前年度から実施している腱板断裂症例のデータ計測・解析を引き続き進めていく計画である。一部結果は、学術大会および国内外の論文で公表する予定である。
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