研究課題/領域番号 |
22K17655
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
後藤 桂 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (10469554)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | がん性悪液質 / がん性心筋障害 / HMGB1 / ミトコンドリア / サルコペニア / 中鎖脂肪酸 / ケトン体 / がん性サルコペニア |
研究開始時の研究の概要 |
先行研究では、カプリル酸およびカプリン酸はin vitroで、抗腫瘍効果と骨格筋芽細胞の増殖と成熟の促進効果が確認されている。本研究では研究実績のあるラウリン酸と同様のマウス悪液質モデルの実験系を用いて、カプリル酸およびカプリン酸のがん性サルコペニアに対する有用性を検討しラウリン酸と比較する。カプリン酸とカプリル酸のがん性サルコペニアに対する効果を確立することにより、これらを中心成分とするがん性サルコペニアに対する経口栄養食品の作製につながる。その結果、化学療法などの治療に併用することで治療忍容性が改善され、社会活動性の回復を促進することが期待される。
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研究実績の概要 |
本年度は、がん性悪液質に関連するがん性心筋障害に対して検討を行った。がん患者における心疾患は、疾患の予後に重大な問題をもたらす。これらの障害が癌細胞と関連していることは確立されているが、その正確な基礎メカニズムは依然として不明である。本研究では、ラット結腸癌細胞株RCN9の癌性腹水がH9c2心筋芽細胞に与える影響を調べた。その結果、腹水は心筋芽細胞のミトコンドリア容積を減少させ、酸化ストレスを増加させ、膜電位を低下させ、アポトーシスとオートファジーを引き起こすことがわかった。腹水にはHMGB1(high-mobility group box-1)が相当量含まれていたが、HMGB1を特異的抗体で中和すると心筋細胞へのダメージが軽減されることが観察された。その結果、HMGB1は、HMGB1受容体、すなわちadvanced glycation end products受容体とtoll-like受容体-4を介して、核内因子κBとホスホイノシチド3-キナーゼ-AKTシグナルの両方を活性化し、アポトーシスとオートファジーを促進することが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
がん性心筋障害の原因として炎症サイトカインのひとつであるHMGB1が重要な役割を果たすことを明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
HMGB1によるがん性心筋障害に対して、改善をもたらす食品栄養を動物モデルを用いて検討する。
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