研究課題/領域番号 |
22K17659
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 帝京平成大学 |
研究代表者 |
日置 麻也 帝京平成大学, 健康医療スポーツ学部, 准教授 (60769058)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 骨格筋脂肪酸 / 7テスラプロトン磁気共鳴分光法 / 脂質代謝 / スペクトル分解能 / 核磁気共鳴分光法 |
研究開始時の研究の概要 |
筋細胞内脂質は重要なエネルギー基質の一つとして日常生活の身体活動やスポーツ活動に利用されるが、加齢や不活動によって過度に蓄積されると、2型糖尿病の罹患リスクを高める要因になる。本研究は、2型糖尿病に対する治療法を飛躍的に発展させるために、7テスラ超高磁場プロトン磁気共鳴分光法(1H-MRS)を用いて、筋細胞内脂質に結合する脂肪酸特定と代謝メカニズムを解明することを目的とする。異なる代謝特性を持つ若年者、高齢者、アスリート(持久系・スプリント系)を対象に、飽和・不飽和脂肪酸を特定し、運動負荷による脂肪酸動態の変化を対象間で比較し、その脂質代謝メカニズム解明を目指す。
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研究実績の概要 |
筋細胞内脂質は重要なエネルギー基質の一つとして日常生活の身体活動やスポーツ活動に利用されるが、加齢や不活動によって過度に蓄積されると、2型糖尿病の罹患リスクを高める要因になる。本研究は、2型糖尿病に対する治療法を飛躍的に発展させるために、7テスラ超高磁場プロトン磁気共鳴分光法(1H-MRS)を用いて、筋細胞内脂質に結合する脂肪酸特定と代謝メカニズムを解明することを目的とする。異なる代謝特性を持つ若年者、高齢者、アスリート(持久系・スプリント系)を対象に、飽和・不飽和脂肪酸を特定し、運動負荷による脂肪酸動態の変化を対象間で比較し、その脂質代謝メカニズム解明を目指す。 2022年度は、以下4点を実施した。 1) 7テスラ1H-MRSを用いて、骨格筋代謝物質の計測法を確立することを目的に実験を行った。骨格筋代謝物質のケミカルシフトと分裂をより正確に得るため、シーケンス (シム調整、磁場均一度評価)、コイルの種類・位置、測定のタイミング等を検討した。健常な男性、女性 (8名) を対象に、ヒト骨格筋・下腿部筋群の1H-MRSを実行した。 2) ヒト骨格筋と同等の脂肪酸試薬を600MHz NMRスペクトルから収集し、リファレンスを作成した。このリファレンスを基準スペクトルとし、1)で検出したヒト骨格筋脂肪酸 (3種類:オレイン酸、パルミチン酸、リノール酸) の同定を試みた。 3) 本研究の目的を達成させるため、3テスラ1H-MRSを用いて、健常な成人男女10名程度を対象に運動負荷を決定するための実験を計画した。 4) 3)で計画した、実験①『3テスラ1H-MRS運動負荷決定のための実験』、本実験②『7テスラ超高磁場プロトン磁気共鳴分光法(1H-MRS)を用いて、筋細胞内脂質に結合する脂肪酸特定と代謝メカニズムを解明する』を、申請者が所属する帝京平成大学倫理委員会へ申請した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1) 下腿部筋群 (前脛骨筋) の代謝物質 (筋細胞内・外脂質、タウリン、トリメチルアンモニウム、総クレアチン) のスペクトルピーク分裂が正確に得られた。筋細胞内と筋細胞外の脂肪酸に分けて同定することができた。一方、7テスラは3テスラと比較して、感度周波数領域が狭く、それが信号強度に影響していることがわかった。 2) リファレンスから得た基準スペクトルから、ヒト骨格筋脂肪酸スペクトルが同定できた。 3) 実験①:足関節運動負荷は漸増的に上昇させる。代謝動態変化を起こす運動負荷について検討しており、現在、運動負荷機器の設計図、試作を重ねている。準備が揃い次第、実行する。 4) 実験①『3テスラ1H-MRS運動負荷決定のための実験』、本実験②『7テスラ1H-MRSを用いて、筋細胞内脂質に結合する脂肪酸特定と代謝メカニズムを解明する』は、申請者が所属する帝京平成大学倫理委員会にて承認された。
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今後の研究の推進方策 |
下腿部筋群(前脛骨筋)の代謝物質スペクトルでは、正確なケミカルシフトと分裂を得ることができた。被験筋は前脛骨筋にターゲットを絞り、シム調整、磁場均一度の評価の検討を行い、計測法を確立する。今後は3テスラ1H-MRS運動負荷決定のための実験、その後、本実験『7テスラ超高磁場プロトン磁気共鳴分光法(1H-MRS)を用いて、筋細胞内脂質に結合する脂肪酸特定と代謝メカニズムを解明する』へと進める。また、共同研究の明治国際医療大学、生理学研究所内の倫理委員会へ申請する。
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