研究課題/領域番号 |
22K17661
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
野津 将時郎 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 助教 (60909571)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2026年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 足関節捻挫 / 姿勢制御障害 / 筋制御 / 足関節捻挫再発予防 / 電気刺激 / 姿勢制御 / 動作分析 |
研究開始時の研究の概要 |
“足関節捻挫は繰り返しやすい”ことは、スポーツ医学界が抱える長年の問題であるにもかかわらず、未だ明確な解決策は確立されていない。一方、「足関節捻挫既往者は姿勢制御障害を有する」という特徴は近年になって確立されてきた。申請者は、姿勢制御の向上が足関節捻挫再発予防に繋がるという仮説を立てた。また、姿勢制御障害に対する介入として、足関節周囲筋による筋制御の改善が鍵となると考えた。具体的には、神経・筋の興奮性を高める電気刺激介入によって筋制御の改善を図る。足関節捻挫既往者における足関節周囲筋の筋制御改善による姿勢制御向上が、捻挫再発を防止させ得るかという時間的な因果関係を検証することを目的とする。
|
研究実績の概要 |
本研究の大目的は、足関節捻挫再発の原因が姿勢制御障害にあることを明確にすることである。小目的として、姿勢制御を向上させ得る筋制御に対する介入エビデンスの樹立としている。本目的を達成するために、3つの課題を設定した。 令和5年度は、課題2として「足関節捻挫既往者に対する電気刺激介入が姿勢制御向上に及ぼす効果」の検証を図った。 課題1の具体的な成果としては、「足関節捻挫既往者はバランス課題中に足関節背屈筋である前脛骨筋と膝伸展筋である内側広筋の筋活動が低いために、健常者と比較して姿勢制御の戦略が異なること」を示唆した。これは、足関節捻挫既往者の姿勢制御を向上するためには、具体的に、前脛骨筋や内側広筋の筋制御に対してアプローチすることが必要であるという学術的意義を見出した結果である。課題1の成果により、課題2における具体的な介入対象は、足関節捻挫既往者の前脛骨筋と内側広筋の筋制御と決定することができた。さらに、課題1より得た新たな知見として、筋制御における収縮様式の違いに着目する必要性が示唆された。バランス課題運動中における筋制御の収縮様式について、前脛骨筋は等尺性収縮、内側広筋は遠心性収縮と、それぞれ求められる収縮様式が異なることが示唆された。したがって、介入アプローチの方法論を再検討する必要性が新たに見いだされ、課題2を遂行するために予定よりも時間を要しており、現段階では課題2の予備実験を新たに実施している段階である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度中に2編の論文執筆を並行して実施したことに加え、被験者の募集が予想以上に難航している現状である。本研究で対象とする「慢性足関節不安定症」は、特にスポーツ活動を行う者については、スポーツ活動中の自覚的な足関節の不安定感が採用基準に含まれるため、たとえ日常生活中に自覚的な足関節不安定感を有していたとしても、スポーツ活動中では被験者対象となるほどの自覚的不安定感を有していない場合があることにより、研究応募者が研究対象となり得ないため、難航している。したがって、被験者募集に時間を要している現状であるため、計画はやや遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
ランダム化比較試験を用いて、捻挫既往者の足関節背屈筋(前脛骨筋)、膝関節伸展筋(内側広筋)に対して電気刺激介入を実施する。介入群(電気刺激+既存の運動療法)と対照群(既存の運動療法のみ)をランダムに振り分ける。介入期間は6週間とする。介入群は対照群に比して臨床バランステストのスコア向上を示すと予想される。
|