研究課題/領域番号 |
22K17669
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
土橋 康平 北海道教育大学, 教育学部, 講師 (80912550)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 動脈血二酸化炭素分圧 / 失神 / 呼吸性アルカローシス / 高強度運動 / 運動後低血圧 / 過換気 / 運動後失神 / 低血圧 |
研究開始時の研究の概要 |
今日、競技力向上に加え、短時間で効率的に体力向上や健康増進を図る手段として、一般人からアスリートの間で高強度の運動を複数回繰り返す高強度間欠的運動が広く行われている。一方で、このような運動後には動脈血圧が運動前より低下する運動後低血圧が起こり、起立性失神やそれに伴う骨折や硬膜下血腫などが生じる危険性があるため、そのメカニズムの解明および対策を早急に講じる必要がある。高強度運動後には代謝量以上に換気が亢進する過換気が生じ、動脈血二酸化炭素(CO2) 分圧が低下する。本研究は、動脈血CO2分圧の低下に着目し高強度運動後の低血圧発生メカニズムの解明およびその予防策を検討する。
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研究実績の概要 |
今日、競技力向上に加え、短時間で効率的に体力向上や健康増進(e.g., 心循環機能向上、脂質の減少など) を図る手段として、一般人からアスリートの間で高強度の運動を複数回繰り返す高強度間欠的運動が広く行われている。一方で、高強度運動後には動脈血圧が運動前より低下する運動後低血圧が生じ、起立性失神やそれに伴う骨折や硬膜下血腫などが生じる危険性がある。特に、起立性失神は高強度運動直後に約6割以上発生する可能性があることから、その原因の1つである運動後低血圧が生じるメカニズムの解明およびその対策を早急に講じる必要がある。しかしながら、高強度運動後の低血圧が生じるメカニズムやその対策法は依然として不明である。高強度運動後には代謝量以上に換気が亢進する過換気が生じ、二酸化炭素(CO2) が体外に過剰に排出され動脈血CO2分圧が低下する。昨年度は、動脈血CO2分圧の低下が高強度間欠的運動後の循環応答に及ぼす影響を検討し、高強度運動後に見られる低血圧には、動脈血CO2分圧が関与していることが示唆された。 本年度は、運動後に生じる動脈血CO2分圧の低下を随意的な呼吸コントロールにより動脈血CO2分圧の低下、ひいては運動後低血圧を抑制できるかを検討している。本研究では健康な成人を対象とし、30秒間の短時間高強度運動を3回繰り返す高強度間欠的運動後の循環応答(動脈血圧、心拍数、心拍出量など) を①運動後に自由呼吸で安静を取る条件および②運動後に随意的に呼吸コントロールを行い、動脈血CO2分圧を低下させない条件で比較検討を行っている。現在、被験者数を増やしながら、解析を並行して進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度においては、研究課題3で設定した運動後の過換気によって生じる動脈血CO2分圧の低下が随意的な呼吸コントロールによりその程度を抑制できるか、ひいてはその際の低血圧が緩和されるかについて検討している。しかしながら、予備検討を含めた実験中に、随意的な呼吸コントロールが行えない被験者がいることに加え、季節性のインフルエンザなどで予定していた被験者数の測定を終えることができなかった。現在も継続して測定を行っており、6月中旬には測定が終了する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
3年目には、当初2年目の計画であった研究課題2 (動脈血CO2分圧の低下は静脈血中ヒスタミン濃度増加や自律神経活動の変化を介して運動後低血圧を引き起こすのか) を行う予定であり、現在予備実験を行っている。また、研究課題1の結果から、運動後低血圧には個人差が見られたことから、体力差を含めた個人差についても検討が必要である。
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