研究課題/領域番号 |
22K17716
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
渋川 周平 順天堂大学, 保健医療学部, 助教 (10911290)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | MRI / 骨格筋 / 温度 / 血流 / 代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
骨格筋は持久性の高い遅筋線維と瞬発力の高い速筋線維に大別されることが知られているが、それを鑑別できる生体計測技術は少ない。筋線維分布を正確に把握できればスポーツ医学や臨床医学への応用が期待できる。 本研究では骨格筋の温度と血流に着目し、構造ではなく機能をMRIで評価するアプローチを試みる。MRIを撮像しながら下肢に運動負荷を加え,骨格筋の熱産生と運動による血流増加を同時に測定する。この画像解析を行い,筋線維の代謝パラメータを評価することで筋線維の鑑別が可能かどうか検証する。本研究が実現できれば新しい骨格筋の代謝イメージング技術として期待できる。
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研究実績の概要 |
本研究では磁気共鳴イメージング(MRI)を使用して下肢骨格筋の代謝イメージングの開発を目的とする。MRIは骨格筋の全体像を把握する事に加えて、下肢血管の形態評価や血流測定には定評があり広く臨床で応用されている。そこで血流評価に加え、MRIで温度が測定可能であることに着目し、運動負荷をかけた場合の血流と温度を同時評価する代謝イメージングの可能性を検証した。 令和4年度は人体への応用を目指し、ファントムを用いて温度イメージングの確立を検証した。MRI室内で温度計測が可能な光ファイバー温度計による実測温度とMRI画像から取得された温度推定値を比較し、温度計測画像の妥当性を確かめた。下肢骨格筋に運動負荷をかけながら、温度と血流の変化を捉えるためには時間分解能が必要とされる。そこで高速に温度計測が可能な位相差による温度計測法を検証したが、温度に対する感度が低いことが示唆された。 ファントムによる基礎実験を踏まえ、ボランティア撮像による検証も行った。運動負荷による経時的変化を捉える温度測定が困難であることを考慮し、血流変化を反映するT2* mapを用いた運動負荷における骨格筋イメージングを行った。まずは速筋線維が優位とされる下腿前脛骨筋をターゲットとした背屈運動による撮像を考案した。しかし、一般的なMRIに付属する固定具では背屈運動時に固定が出来ずMRI画像の劣化が大きく、背屈運動の指示だけでは主観的な運動負荷に偏りが出ることが判明した。そこでMRIから得た下腿の3次元データを利用して3Dプリンタによる運動負荷量を調整できる下腿固定具を作製した。また連続的な背屈運動ではなく4kgの加重負荷をかけた背屈運動を維持することでアーチファクトを低減した画像が得られるという知見を得た。この固定補助具と背屈運動法を変更したことでMRIの画質が向上し、運動負荷をかけながらT2*値の計測が可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の研究計画では温度イメージングの精度検証(生体内の温度変化で予想される30から45度での計測精度及び補正係数の取得)と温度イメージングの高速撮像化(血流イメージングと同等の時間分解能の達成)であった。実際に行ったファントム実験では想定していた結果が得られず、温度イメージングが困難であることが判明した。しかし、血流イメージングについては人体による検証が出来たため、進捗は予定したよりも進んでいる。ただし、コロナ禍も影響もあり学会発表、論文化など結果のアウトプットがやや遅れているため今後は研究結果の積極的な対外活動を行っていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
ボランティア実験では良好な結果が得られているため、被験者数を増やしデータを蓄積する事を継続する。さらに温度イメージングが困難であったため、その他のMRI撮像による定量値取得で骨格筋繊維の基盤解明の可能性を模索する。具体的にはT2*値のみならずT1値、T2値、拡散係数、CESTといったMRIで取得可能な定量値への応用を目指す。また、MRI以外にも運動負荷前後の筋力や筋電図、運動による疲労感など生体情報を取得し、MRIのパラメータと比較することを検討する。得られた各種の定量パラメータはまず相関解析することで各々の関係を明らかにしていく。また、現在は速筋繊維優位の前脛骨筋のみターゲットとしているが、今後は底屈運動を行うための補助具を作製し、ヒラメ筋など遅筋繊維優位の骨格筋ターゲットの検討を行っていく。実験による被験者及び様々な骨格筋MRIデータを取得し、より詳細な骨格筋繊維の情報が検出可能か検討する。
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