研究課題/領域番号 |
22K17728
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
三枝 巧 山形大学, 地域教育文化学部, 講師 (80911809)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 運動技能 / 学習 / 音源定位 / 頭部運動 / ブラインドサッカー |
研究開始時の研究の概要 |
視覚障がい者の音源定位能力は,音声デバイスを用いた聴覚‐運動訓練によって向上することが知られている.しかし,頭部回転を活用して音を知覚する聴覚‐運動訓練が,視覚障がい者の音源定位能力および運動技能の向上に寄与するのかは明らかにされていない.本研究では,視覚障がい者を対象としたボールトラップの課題を通して,聴覚‐運動技能の学習に頭部回転が与える効果について明らかにすることを目的とする.また,頭部回転を用いた技能学習に伴い,音源定位能力に向上がみられるのかを明らかにすることを目的とする.
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研究実績の概要 |
2023年度においては,ブラインドサッカーにおけるボールトラップの運動技能の学習および音源定位能力に頭部回転が与える効果について検討を行った.晴眼のブラインドサッカー未経験者を対象として,アイマスクを装着した状態で4.5m先から左右に転がるボールを右足でトラップする運動課題を設定し,2日間の学習実験を行った.また,自己中心の空間座標系にもとづく音源定位能力を評価するために,ボールが投射された瞬間から足元にボールが到達するまで,指でボールを指し示すポインティング課題を行った. その結果,ボールが足に触れるまで顔でボールを追うことを意識した群において,ボールトラップの左右方向に関する空間誤差が減少することが明らかになった.また,これらの群の下向きの頭部角度の振幅は,左右に移動してボールの軌道に入ることのみ意識した群に比べて大きいことが確認された.さらに,ボールトラップの技能学習を通して,大きな下向きの頭部回転を行うことで,ポインティングの前後方向の空間誤差が減少することが明らかになった. これらの結果から,左右に移動してボールの軌道に入ることに加えて,顔でボールを追うことを意識するボールトラップの学習法は,大きな下向きの頭部回転を用いて音源をより正確に定位することで,ボールトラップの技能向上をもたらすことが示された.また,ボールトラップの技能学習において大きな頭部回転を用いることで,前後方向の音源定位能力が向上する可能性があることが示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
頭部回転を用いた技能学習を通して,ポインティングの前後方向の空間誤差が減少することを一部明らかにすることができたが,絶対誤差の観点から検討したのみであるため,更なる分析が求められる.
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今後の研究の推進方策 |
本年度の研究では,頭部回転を用いたボールトラップの技能学習が音源定位能力に与える効果を詳細に検証するために,音源の移動速度および移動方向,タイミング一致の観点からポインティングの誤差について分析を行う.
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