研究課題/領域番号 |
22K17756
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
武見 充晃 慶應義塾大学, 理工学研究科(矢上), 特任講師 (90828302)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 身体運動 / 筋電図 / 疲労 / あがり / バイオマーカー / パフォーマンス / 報酬 / 筋の共収縮 / 運動学習 / 脳波 / 生体計測 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目標は、身体状態に基づいて練習量を調整する運動学習支援システムの確立である。一般的な運動スキルの学習では、疲労を感じたら練習を止めるといったように、身体の状態を自己判断して練習量を調節する。しかし、主観的な疲労感と実際に身体に生じている状態変化は一致しないことも多いため、向上心の強い人ほど過剰に練習してしまう。過剰な練習は、運動技能の習得を阻害するだけでなく、脳や筋の障害を招きかねない。そこで本研究では、運動学習中の脳と筋の状態変化をモニタリングして、異常を検知したら練習の中断を推奨することで、効率的で安全な運動技能習得を支援するシステムの確立を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、運動中の心身の状態変化を監視し、異常を検知した際には練習を中断したり運動方針を変更することで、心身に負担をかけずに運動技能の習得や発揮を支援するシステムの確立であった。研究期間中、以下の2つの重要な成果を得た。第一に、筋電図の振幅と実際に発揮される力の大きさの比が疲労関連バイオマーカーとなることを発見した。この成果は査読付き英文誌に掲載された。第二に、運動開始前の筋の共収縮が心理的プレッシャーを反映するバイオマーカーの候補であることを明らかにした。この研究はプレプリントとして公開され、現在査読中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、運動中の心身の状態を客観的に評価する新しいバイオマーカーを提案した点にある。特に、筋電図と筋力の比や運動前の筋の共収縮が有用な指標となることを示した点は、運動生理学やリハビリテーション分野において重要である。社会的意義としては、運動中の過剰な負荷や心理的プレッシャーによるパフォーマンス低下を防ぎ、より安全で効果的なトレーニング方法を提供することが期待される。これにより、スポーツ選手だけでなく、高齢者やリハビリ患者にも広く応用可能な支援システムの開発が見込まれる。
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