研究課題/領域番号 |
22K17765
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
|
研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
梅原 潤 関西医科大学, リハビリテーション学部, 助教 (80780337)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 骨格筋 / スティフネス / エラストグラフィ / 超音波イメージング / 数理モデル / エラストグラフィー / 3次元筋スティフネス / 3次元超音波イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、エラストグラフィーと3次元超音波イメージングの統合により、ヒト生体における骨格筋の3次元形状と受動的張力を計測し、それらの関係性を定量化することによって、骨格筋の柔軟性の新たな指標となる3次元筋スティフネスのモデル化に取り組む。さらに、対象筋を全身の骨格筋へ波及させることで、モデルの汎用性を検証する。
|
研究実績の概要 |
本研究課題では、ヒト生体の骨格筋を対象とし、その3次元形状と受動的張力の関係性を定量化することによって、骨格筋の柔軟性の新たな指標となる3次元筋スティフネスをモデル化することを目的としている。従来の筋スティフネスは筋を1次元的に捉えて過度に単純化し、筋の本来の3次元的な形状変化を考慮できていないという問題点があった。本研究では、この問題に対して、エラストグラフィーによる受動的張力計測と3次元超音波イメージングによる3次元形状計測という手法、さらに数学的アプローチによるモデル化を用いて取り組んでいる。 当該年度では、独自の構築した筋の受動的張力と関節の3次元姿勢が計測可能な実験環境において健常成人を対象としてデータ計測を実施でき、次元削減手法を取り入れたアプローチによって、3次元的な関節に跨る筋の受動的張力と関節姿勢の関係性を定式化することに成功した。これまでの研究では膝や足など2次元的な運動が主な関節に跨る筋の受動的張力しか計測されていなかったが、本研究で構築した実験系を使用することで肩関節のような3次元的な関節でも筋の受動的張力と関節の3次元姿勢を獲得することが可能となった。さらに、関節姿勢の低次元化を組み合わせたパラメータフィッティングによって、2次元的な関節に跨る筋の柔軟性を表現するために使用されている指数関数モデルで3次元的な関節に跨る筋もモデル化できることを発見した。この結果は、2次元的な関節で使用されていた従来のモデルの汎用性を示す結果につながった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要に記載した通り、独自に構築した実験系を用いて健常成人を対象に3次元的関節に跨る筋の受動的張力と関節姿勢のデータを計測することができた。さらに、計測した筋の受動的張力と関節姿勢に対して、次元削減手法を組み合わせたモデリングを用いることで、それらの関係性の定式化を達成した。
|
今後の研究の推進方策 |
現在までに、3次元的な関節に跨る筋の受動的張力と関節姿勢の計測までが可能となった。本研究の目標である3次元形状と受動的張力の関係性を定量化し、3次元筋スティフネスのモデル化を達成するために必要なことは、複数の姿勢における筋の3次元形状を計測すること、つまり、筋の変形を捉えることである。研究計画では、3次元超音波イメージングを使用して複数姿勢にわたる筋の形状を計測する予定である。だが、難しい場合はMRIによる計測や、さらには筋骨格モデルを使用した筋の変形シミュレーションも駆使して、筋変形の定量化に取り組む予定である。
|