研究課題/領域番号 |
22K17768
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
加藤 俊祐 秋田大学, 医学部附属病院, 特任助教 (40924452)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 腸内細菌 / 糖尿病腎症 / 腎臓 / 糖尿病 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の核心をなす学術的問いは「KK/Ta-Akitaマウスの糖尿病腎症の発症やGLP-1受容体作動薬による腎保護効果にセグメント細菌による宿主の免疫制御は関与するか?」である。具体的には、①糖尿病腎症発症・進展にはセグメント細菌の増加が関連するか、②セグメント細菌は、腸管Th17細胞の活性化、腎臓へのTh17細胞の移行、腎臓でのIL-17の増加を介して、糖尿病腎症発症・進展に関与するか、③GLP-1受容体作動薬はセグメント細菌と免疫系の制御を介して、糖尿病腎症の改善に寄与するか、という3つの仮説を検証する。
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研究実績の概要 |
我々は糖尿病腎症感受性であるKK/TaのIns2Akita (KK/Ta-Akita)マウスにおいてGLP-1受容体作動薬が糖尿病腎症を改善させることと、GLP-1受容体作動薬が神経系を介した新しい機序で腸内細菌叢を変化させることを報告してきた。研究過程で、KK/Ta-AkitaマウスではC57BL/6のそれと比較して「セグメント細菌」量が増加しており、腎症の感受性と相関することを見出した。セグメント細菌は宿主の回腸上皮細胞に一端を「挿入」して生着し、免疫機構(Th17細胞の活性化)へ影響を与えるユニークな細菌である。我々はKK/Ta-Akitaマウスの糖尿病腎症の発症、進展もしくはGLP-1受容体作動薬による腎保護効果にセグメント細菌が関わる可能性を想定した。本研究により「腸腎連関」機構が明らかになれば、腸内細菌への介入という新しい角度から糖尿病腎症の発症や進展を抑制する栄養食事指導や治療法開発の可能性が期待される。本研究では、①糖尿病腎症発症・進展にはセグメント細菌の増加が関連するか、②セグメント細菌は、腸管Th17細胞の活性化、腎臓へのTh17細胞の移行、腎臓でのIL-17の増加を介して、糖尿病腎症発症・進展に関与するか、③GLP-1受容体作動薬はセグメント細菌と免疫系の制御を介して、糖尿病腎症の改善に寄与するか、という3つの仮説を検証する。令和5年度は令和4年度に続いて、C57BL/6-WT 、C57BL/6-Akita 、KK/Ta-WT、KK/Ta-Akitaマウスのそれぞれにおいて、GLP-1RA投与の有無に分けて、腸および腎のTh17細胞の分取とその解析を試みている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度のコロナ禍で遅延した影響が継続しており、実験計画は全体的に遅延している。FACSの実験系確立においては、当院のバイオサイエンスセンターに新規に導入されたGentleMACSの利用およびLSRFortessa X-20 フローサイトメーターによる検討を考慮している。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍で遅延した影響を軌道修正すべく本年度も進めていく。FACSの実験系確立においては、当院のバイオサイエンスセンターに新規に導入されたGentleMACSの利用およびLSRFortessa X-20 フローサイトメーターによる検討を進めていく予定である。並行してCohousing実験、その他を行う予定である。
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